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ifネギま! 〜 一話一妄想シリーズ 〜 

第九話 



 地下に落とされたバカレンジャーたちだったが、そこは地底にもかかわらず光に満ちた快適な空間、地底図書室だった。ネギの提案でみんなは試験に向けて勉強を開始する。そのまま二日が過ぎたのだが……。 


 ネギが明日菜を探して地底図書室を歩いていると、本棚と大木の向こう側から、いくつもの鈴を鳴らすような少女たちのはしゃぎ声が聞こえてきた。 
「ん…」 
 さきほど休憩に入ったまき絵たちの声だ。明日菜も彼女らと一緒にいるのだろうか、とネギは思い、大木の横に回りこんでひょいっと顔を出してみる。そこにいたのは。 
 瑞々しい肌も露わに、一糸まとわぬ姿で水と戯れていたまき絵、クー、楓の三人だった。 
 水に濡れた眩しいほどに輝くまき絵の肢体、すねまである温水を手ですくうためにぐっと前かがみになり、強調されてしまっているクーの若々しい胸と腰、見せつけるような楓の中学生離れしたボリュームのある体が、惜しげもなく披露されていた。 
「え゛」 
 予想外の光景に、ネギは喉の奥から変な声を出してしまった。その声で、三人もネギに気づく。 
「「キャ────ッ ネギ君のエッチ──────ッ!!」」「アルー」 
 異口同音に言うまき絵とクー。しかしその口調も表情も、言葉とは裏腹になぜか楽しそうだ。 
「あ、いえ、あわわ」 
 と驚き、慌てるあまりうまく言葉が出ないネギ。内心の動揺が、ぶんぶんと振り回される腕に表れてしまう。 


「ス、スミマセンッ!!」 
 ネギはようやく言うと、ぎゅっと目をつむって回れ右し、駆け出す。 
 と思ったら、その体がひょいと宙に浮いた。彼の足が空中をばたばたと前後に動く。 
「まあまあ」 
 ネギを持ち上げたのは、楓だった。 
 右手で、いつの間にか体に巻き付けたバスタオルを押さえ、左腕一本でむんずとネギのパジャマの襟を掴んで持ち上げている。 
 そのまままき絵とクーの前に持ってきた。 
 まき絵もクーも、一応、バスタオルで前を隠してはいるものの、ネギを男だとはまるで意識していないらしい。 
 恥ずかしがるどころか、顔を真っ赤にするネギをつんつんとつついたりしてまるで臆する様子が無い。 
「くすくす。ネギ君ったら、顔、真っ赤にしちゃってカワイー(はぁと)」 
「ち、ちが…」 
「ネギ坊主、10歳なのに女の子の裸に興味あるアルか?」 
「あううっ、おろしてー」 
 ネギはつり上げられた状態からなんとか逃げようと手足をバタバタさせるのだが、まるで頑丈なクレーンに固定されたみたいに、楓の腕はびくともしない。 
 直接からかいには参加しないものの、楓の笑顔からして彼女もネギが恥ずかしがる様子を楽しんでいるらしい。もっとも、彼女はいつも笑っているが。 
「こないだの風呂場では気にしてなかったでござるが……」 
 楓がクーに答えていると、まき絵とクーはいっそうネギに近寄った。 
 肝心な部分はバスタオルで隠されているとはいえ、女性として今まさに花開いている真っ最中の美少女三人に囲まれた状態だ。 
 ネギは両手で顔を覆いつつも、ついついまき絵の形の良い鎖骨や、クーの柔らかそうな胸元に目がいってしまう。 
 その視線に気づいたまき絵が、ウインクしながら人差し指を立てて言う。 
「びみょーなお年頃ってカンジ?」 
 クーの方はもっと大胆で、上半身を上下に揺らしながら挑発的に声色を出す。 
「うりうり〜〜〜おっぱいアルよー」 
 クーのふくらみが、ぷるんと柔らかそうに揺れた。 
(先生いじめだよぅ〜〜〜) 
 その光景に思わず視線を吸い寄せられながら、ネギはそう思った。 
 そんなネギの様子を見たまき絵とクーは、お互いに顔を見合わせるとニマっと笑った。二人の両目が悪戯っぽい輝きを帯びている。 


「お、ネギ君、やっぱり興味あるみたいだね〜。見せてあげよっか?」 
 小首を傾げ、ウインクしながらまき絵がバスタオルをちょっとだけ下に下げた。バスタオルの端から、きれいな桃色をした部分がほんの少しだけ見える。 
「い、いいですよー」 
 両腕でかばうように目を覆い、顔をそむけるネギ。その腕の一本を、クーが右手でとってガードを開いた。 
「遠慮することないアル〜」 
 ネギが顔を背けた方向にわざわざ移動し、こちらもバスタオルを下げて左の乳首を半分だけ露出させる。加えてちょっとだけ胸全体を左腕を使ってもちあげ、胸のふくらみを強調した。 
 右を向けばまき絵の、左を向けばクーの半裸が目に入ってしまう。ネギはそこで顔をそむけるのを止めて、目をかたくつむった。 
 まき絵が人差し指を伸ばし、ネギのまぶたの下をくいっと押し下げてアカンベーをさせてみたが、瞳が裏返っているのでこれではどうしようもない。 
「ん〜」 
 とまき絵が思案していると、クーが体の前を隠していたタオルを、近くの木の枝にかけた。褐色のきめの細かい肌があますところなくさらけだされてしまう。 
「ほーらネギ坊主、女の子の裸アルよ〜、おっぱいもアソコもちゃんと見えるアルよ?」 
 そう言うと、雑誌のヌードモデルのように両手を頭の後ろで組んで、腰をぐっと突き出すポーズ。 
「お、クー大胆だね〜、んじゃあたしも♪」 
 まき絵もタオルを木の枝にかけ、スレンダーな肢体を公開した。右手を頭の後ろに、左手を腰に当ててポージング。 
 そして、四人とも無言のまま数秒が過ぎた。 
 ネギは相変わらず目を固く閉じている。  
 そこに至って、ようやくまき絵とクーは、目を閉じている相手に視覚にうったえるアプローチをしても無駄なことに気がついた。さすがはバカレンジャーの一員である。 
 まき絵もクーも、途端にポージングをしているのが馬鹿らしくなってしまい、ポーズを解く。 
 その一方でこれほどまでにかたくななネギを、なんとかして自分たちの体に夢中にさせたいという妙な欲求がわき起こってきた。 
 二人とも、腕を組んだり顎に手をあてたりしてしばらく考えこんでいたが、まずまき絵の方が先に動いた。 
 彼女はネギのそばにそっと寄ると、彼の宙ぶらりんになった体をきゅっと抱きしめる。 
 パジャマの上からではあったが、ネギは体全体を包むまき絵の暖かさと柔らかさを感じて頬を真っ赤にした。 
 その反応に気をよくして、まき絵はネギの耳元に顔を近づける。ほとんど耳に口づけるようにしながら、小さな声で囁いた。 
「ネギ君……」 
 そして体の奥から熱い吐息を、耳の穴に向けてそっと吹き込んだ。 
 それだけで、ネギの体がびくびくっと、踊るように震える。 
 それを見たクーは、ま負けじとネギの手をとって、その手のひらを自分の右胸に押し当てた。 
「?」 
 ネギの手のひらに広がる、暖かさと柔らかさを兼ね備えた何か弾力のあるもの。頭をわずかに振ってとまどいを見せるネギに、クーはまき絵と反対側の耳元で囁いた。 
「ふふふ、ネギ坊主、何をさわってるかわかるアルか?」 
 思わず、ネギは自分が何に触れているか確かめるために、手に力を入れてぎゅっと掴んでしまう。 
「あんっ」 
 大した力ではなかったのだが、クーは大袈裟に嬌声をあげた。 
「もう、ネギ坊主ったらいやらしいアルよ」 
 などと、自分で押し当てているくせに、艶っぽい声でネギの耳を抗議の言葉でくすぐる。 
 それで、ネギは気づいたようだった。 
「あわわっ」 
 急いでクーの胸から手を離そうとするが、クーが手の甲をしっかり押さえている。 
「ちょ、ちょっとクーさん!?」 
 ネギの言葉に耳を貸す様子もなく、ネギの手の甲に重ねられた自分の手をぐいぐいと押しつけた。ネギの手を介して、自らの胸を慰めているような体勢だ。 
 ネギの手のひらの中で、張りのあるクーの胸がぐにぐにと形を変え、いやがおうにもその甘い感触を味わってしまう。 
「ネギ坊主ったら、こんなに激しくワタシのおっぱいを揉むなんて、そんなに気に入ったアルか〜?」 
 と言葉責めも忘れないクー。ネギは顔を真っ赤にして、何も言えずに首を左右に振っている。 
「よーし、ネギ君、それじゃここはどこかなー?」 
 ネギの体を抱きしめていたまき絵は、ネギのもう一本の手をとって導いた。 
 ネギの手に、クーの胸よりもさらに柔らかく、それでいて複雑な形をしたものが触れた。少し上の方に、水に濡れた、何か細長く柔らかいものがたくさんある感触。 

「? ? ?」 
 とまどうネギに、まき絵はくすくすと笑った。 
 そして、再び、キスするように耳元に口を寄せてとろけるような声で囁いた。 
「ここはね、私の……」 
 続く四文字の言葉を聞いて、ネギの顔が首まで真っ赤になる。 
「ま、ま、まき絵さん、そんなところを……」 
 思わずどもってしまうネギ。あろうことか、まき絵はネギに自分の股間を触らせていたのだ。ネギが手を抜かないように、片手と引き締まった両ももでしっかりと押さえつけている。 
「ほら、楓も参加するアル」 
「ん〜」 
 クーにうながされ、それまでただネギを片手でぶら下げているだけだった楓も、体に巻き付けていたタオルを外して木の枝にかける。 
 クラス一の量感を持つ二つの乳房が明らかになった。一緒にいるまき絵とクーが女子中学生として平均、もしくはそれ以下なので、その巨乳がひときわ目立つ。 
 楓はネギの体を自分の体に引き寄せ、彼の背中を自らの豊かな胸に押しつけた。 
「ああっ」 
 パジャマごしとはいえ、楓の豊満な両胸の感触は充分に伝わってくる。 
 今やネギは、両手、両耳、背中と、いくつもの場所を女性の柔らかな部分で覆われてしまい、息も絶え絶えだ。 
 理性などとう吹っ飛んでしまってもおかしくない、三人の美少女に甘え、幼い官能が尽きるまで桃色の遊びをねだってもいいはずである。 
 それにも関わらず、彼はかたくなに目を閉じたままであった。 
 しかし……。 
 クーが余った手で、ネギの股間をパジャマごしにまさぐった。いかにネギが、子どもとは思えない自制力を発揮していても、体の方はしっかりと反応している。 
「ネギ坊主、ここが大きくなってるアルよ? ほら、さっさと正直に言うアル。女の子の体に興味あるって」 
 クーの口調はこれまでと同じかそれ以上に甘やかなものだったが、若干あせりといらだちが混じっているようにも聞こえる。 
「あのっ、そのっ、僕……」 
 と、ネギは叫ぶように言った。 
 三人が言葉を待っていると、ネギは大きな声で言った。 
「僕…お姉ちゃんで慣れてるしっ、女の人の裸とかには全然興味ないですからっ。イギリス紳士として!!」 
 特に『全然興味』の部分をネギは強調したが、これまでのまき絵とクーの挑発に対する反応からすれば、興味深々なのは丸わかりである。 

 加えて、これまでされてきたことを『姉で慣れてる』と言ってしまったのは実のところとんでもない爆弾発言である。 
 この場にいる四人の中で最も冷静な楓だけは、ひそかに笑顔の中で汗をかいていたりするのだが、まき絵とクーは気づかなかったらしい。 
「な……」 
「げっ……」 
 二人とも絶句すると、大袈裟な身振りでのけぞった。 
「ひ、ひどーいネギ先生〜」 
「ガキじゃ相手にならないアルね〜〜」 
 ネギに背をむけると、腕で涙をぬぐう仕草をして大袈裟に悲しんだ振りをする。 
 もちろん楓には演技だとわかっているので、彼女は「ハハハ」などとお気楽に笑っているが、ネギは持ち前の純真さを発揮して本気にとったらしい。 
「あっ、いえ、そういうことじゃ……」 
 とそこで、パっと楓がネギの襟を離した。 
 ばしゃっと水面に水しぶきをあげて着地したネギは、恥ずかしさと気まずさが相まってどうにも居たたまれなくなったようだ。 
「じゃっ、じゃあ〜〜〜」 
 とおざなりな別れの言葉を残し、あっという間にぴゅーっと向こうの方へ駆け出していった。 
「あっ、ネギ坊主ー」 
「あーん、ネギ君もっと遊ぼうよー」 
 しかしネギは、すでに大木の向こう側にまわりこんで見えなくなっている。おそらく聞こえないだろうし、聞こえても戻ってはこないだろう。 
 まき絵とクーは、さきほどのネギの姿にクスクスうひひひっと笑いながら、 
「『興味ありません』だって(はぁと)」 
「『イギリス紳士』アルよー(はぁと)」 
 などと黄色い声ではしゃぎあっていた。 
 とそこに。 
 ゴポン。 
 大きな泡と共に、水面から黒い影が迫ってきていることに、三人はまだ気づいていなかった。 


   第九話 終わり 
  

次回予告! 
 なんとかゴーレムの追撃を振り切り、外へと脱出できたネギたち。しかしエレベータに乗るために、魔法の本はもとより服まで捨ててしまった。 
半裸でいるには寒い季節、もし、のどかたちがくるまでに寒さをしのごうとバカレンジャーたちが知恵をしぼったら……? 乞うご期待! 


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