
◆O/UZZY.mgg
第一話
「ネギせんせい……ネギせんせい……。」
夜空が仄かに紫になる頃、神楽坂明日菜がそろそろ新聞配達に出かけるくらいの時間…
中等部2−A27番、「本屋」の愛称でクラスの知恵袋として親しまれている 宮崎のどか は、
一人ベッドの中で、 担任・ネギ=スプリングフィールド をオカズに、
自慰に耽っていた…………。
――着任当日に転落した自分を助けたネギ――
――親友に曝け出された素顔を見てしまったネギ――
――転んだドサクサに自分のぱんつを見てしまったネギ――
――ドッヂ勝負で崩れかけたクラスの士気を取り戻させたネギ――
――明日菜さえも陥落させた魔球を彼女を庇いながら受け止めたネギ――
気が付いたら、彼が自分の心に住み着いていた…
自分より、5歳も年下、しかも本来ならば「小学生」である年齢にも関わらず。
願わくば、従弟としても、実弟としてでもいいから、彼を欲しいと思った。
しかし現実は、彼は バカレッド・明日菜 と 学園長の孫娘・近衛木乃香 の部屋に住まい、
クラス内でも、 委員長・雪広あやか と バカピンク・佐々木まき絵 を中心とした大半が猛烈な攻勢を仕掛けている。
そして自分は、異性を目の前にすると不慣れな所為か緊張で身がいつも以上に竦んでしまう性質…。
(はぁ……一歩前に踏み出せない、自分が悔しいです………んっ!!)
自分の性質が因して近くに居るのに遠くの存在になっている少年教師に思いを馳せつつ、
のどかは自分の両手の動きを激しくシフトした…。
パジャマの上は前をはだけさせ、下はぱんつごと膝まで下ろしている状態。
声をなるべく殺す為、パジャマの上の一部を噛んでいる。
左手は、まだ膨らみ始めたばかりの薄い胸を指の股で乳首を挟みながら揉みしだき、
右手は、腕が攣るんじゃないかというほど指を深く長く入れ、激しく出し入れしたり自在に曲げたりしている。
(はぁ……ネギせんせいに触れたい・触れられたい・味わいたい・味わわれたい………くうっ!)
彼は、私をどのように扱うか、逆に、私は彼をどう扱うかを頭に描き、そして結果どうなるかを
頭の中でシミュレートして、更に感情を昂らせながら左右の手を更に激しく、
そして秘部に指をもう一本挿入し、狂おしく蠢かせた…。
(ああっ、ネギせんせいの唇が…舌が…指が…そして、おち○ちんが…
だ、駄目っ、そこは……えっ、そ、そんな事まで………あっ駄目、もっと、もっと――――――――――)
「 ネ ギ せ ん せ ――――――――――――――――――――!!!!!!!!!! 」
轡代わりのパジャマの生地を無意識の内に放し、想い人の名を叫びながら、のどかは絶頂に達した。
全身は弓なりになりながら痙攣し、小さな口からはみっともなく唾液を垂らし、秘部からは勢い良く愛液が飛ぶ「潮吹き」を行い乍ら…。
「はぁはぁ……また……空想で済ませてしまったです……もう止めたいのに……現実でしたいのに……」
水仕事後のように愛液でずぶ濡れ、少しふやけた右手と、乱れた着衣に目をやりながら、
余韻に浸りつつ後悔の念に苛まれていた。その時…。
「喪前毎度毎度雄叫び上げながら盛ってんじゃねぇぞ、ゴルァ!」
「ひぃっ!?」
同室の図書館探検部トリオの一人、 セクシー同人女・早乙女ハルナ が、
不機嫌の絶頂とも言える普段では発しないガラの悪い言葉でのどかに怒っていた。
「は、ハルナさん、なんか、言葉が千雨さんみたいですごく怖いですー。」
「千雨みたいな口調で怒りたくなるわよ。いくら旧知の仲ののどかとはいえ。
こう、ここ毎日ネギ先生の名前叫んで盛っているとさ。…怒る以前に恥ずかしいし。
…まぁ、オナニーをするなとは言わないけど、もうちょっと考えて欲しいな。
…絶叫の事だけでなく、ネギ先生に対する想いについても…………………ね?」
「ギクッ……えっ!?」
「ギクッ、って、何を今更。ネギ先生の前での態度は勿論だけど、
わざわざオナニーのネタに使う程だもん、分からない訳ないわよ。」
「………………。」
なるべく友人の前でもあからさまに感付かれないようにしようとしておきながら、自らのミスで
周り…この時点では同室の目の前の友人に見事に心の内がバレてしまい、今更乍らのどかは顔を赤らめる。
「しかし…ついこの間までは男の人の前では何もせずに逃げ出すような娘だったのに。
生きているうちはどんな出会いがあるかわからない、一期一会とはよく言ったものねー。」
「もう、以前の私じゃないですー。」
「でもさ、面と向かえるようになったところで、碌に触れ合えず、
心の殻の中で理想像描いて自慰に耽っているだけじゃ、そのまんまよ。…まぁ、私も人に言えた義理じゃないけどね。」
「はい………………。」
「ま、ここは友人の一人として、役に立つかどうかわからないけど、助け舟出してあげる。
ネギ先生ねぇ、アスナがバイト行く頃にはもう起きていて、そこで朝の準備したり、時折アスナの付き添いしているそうよ。
普通ならみんな寝ているその間の数時間が、誰にも邪魔されずにネギ先生を独占できる時間、ということになるわね。
これは相部屋のこのかの情報だから、もしその時にこのかが起きている場合は運が悪いと思って諦めるしかないけどね…。」
「早朝の出かける前の…数時間………………。」
「その時間に、オナニー我慢して準備して、授業の解らない所訊くのを装って近づいて、今後に上手く繋げていくって寸法よ。」
「…お、お、オナニーは余計です……。」
「その作戦、やってみる自信、ある?あるんだったら、困ったときには助け舟を出し、邪魔なときには退くなど、協力するわ。」
「………………わ、私、やってみます!」
普段の癖である両腕を胸の前にかざすスタイルのまま、小さな拳を強く握り締めて、のどかはハルナの提案を呑んだ。
「おっ、中々強い返事ねー。まぁ、今日は時間が押し迫っているから、明日から早速実行ね!」
「…はい!」
(しっかし、見ていて危なっかしかっただけののどかが、一丁前に恋煩いか……
しかも、私なんかよりもずっと強い想い抱いちゃって……少しだけ悔しいかな?ま、とりあえず、見守ってみますか!)
心の中で負けを納得しつつ、手のかかる妹のようなのどかを応援しようと心に決めたハルナだった。
第一話終
さて、その頃、もう一人の相方、 バカブラック・綾瀬夕映 はというと……
「………………のどか、声大きすぎ、イッテヨチ………………
私も、のどかの為にバカレンジャーとしてやるべき事をしておきましょう………………Zzz」
寝ながらにして状況を把握していたようです。流石は抜群の切れを持つ頭を持ちながらバカレンジャーの看板を背負う参謀格(藁)
今度こそ第一話終
第二話
きーんこーんかーんこーん………………
早春の晴れた昼下がり、燃料を美味しく補充出来て、それこそ隙あらば爆睡を決めたくなるような環境下、
中等部2−A組では、ちょっと…いや、「かなり」珍しい事態が発生していた。
「く――――――……っ!!……んん……く――――――……」
(あれ?今日の本屋ちゃん、なんか壊れたロボットみたい……どっかおかしいのかな?)
(あら……流石ののどかさんが居眠り……明日はスキー日和かしら……。)
(アイヤー!本屋の意識が飛んでしまっているアル!これじゃ後で何も聞けないアルよ…。)
クラスメイトは目を疑っていた。あののどかが、授業中に意識が飛んでしまっている事に!
原因は、本人と、気心知れた探検部トリオの後2人ぐらいしか知る由がない。
中学生の身で、全身全霊を込めた自慰を夜毎行っていればツケが何処かに来るのは当然であろう。
もちろん、その異常事態に、この少年も気づいていた。
(宮崎さんが居眠りなんて……それでも机に突っ伏そうとしないようにしてる……
もう見ていられない状態だ……よし、ここは指名する風にして起こして注意を促しておこう。)
「それじゃあ、ここの所の訳を、えーっと、宮崎さんお願いします。」
「――――――っえ!?あ、は、はいっ……あっ」
(あ!宮崎さん危ないっ!!!!)
ネギの指名に現実に戻されたのどかは、何とか最低限の体裁はとろうと朦朧とした意識で必死で立ち上がろうとした。
が、立つ勢いが良すぎたか、追い討ちをかける様にのどかの頭を立眩みが襲いかかったのである。
SF映画の廃ビルのように静かに倒れて落ちようとしたその時……。
ぱっか――――――ん!!!!
踏み台が黒板側の壁に叩きつけられて破壊された音と同時に
冷たい床にキスをしそうになったのどかは
ネギの両腕の中に落ちていた
クラス全員が
目前に起きたもう一つの珍事に
目を丸くした
「……宮崎さん、宮崎さんっ!」
「あ!!……せんせい……ご、ごめんなさいです……。」
再度現実に戻り、自分の置かれた状況を把握したのどかは、顔を赤らめつつ、力なく立ち上がり席に戻った。
だが、教室の中は水を打ったような静けさが覆っていた…。
通常のこのクラスなら、このシチュエーションで「お姫様抱っこだー」という感じで囃し立てているであろう。
しかし、普段居眠りしない才媛が死んだようになっていた事、幼さゆえの華奢な感じの教師が驚異的な頼もしさを見せた事、
この二つの異常事態によって、鮮やかなまでの救援劇は沈黙に包まれてしまっていた…。
「宮崎さん。どこか体の調子がおかしいのですか?だとしたら、あまり無理をなさらないでください……。」
「す、すいません………………。」
「取り敢えず、保健室で休んで様子を見たほうがいいでしょう。
保健委員のえー、 和泉亜子 さん。宮崎さんを連れて行ってあげて下さいませんか。」
「あ、はい!」
のどかに肩を貸し、ゆっくりと保健室に向かう亜子。
それを見送りながら、取り敢えず平静を装い授業を再開するネギ。
「えーと、ちょっとハプニングが起きてしまいましたが、授業を再開します。
今出て行った宮崎さんと和泉さんの為に誰か後でノートを見せてあげてください。」
(しかし……僕自身も不思議だ。宮崎さんが倒れると思った途端に魔法力かなり強めて飛び出すなんて……。
なんだろう、その時起こった感情は……熱いような……それでいて切ないような……………………………。
それにしても、アスナさんやバカレンジャーの皆より会う時間は短いのに、宮崎さんとは何かと縁があるような。)
どうやら、ネギ君にも変化が現れたみたいです。それでも、他の皆に弊害が出ないように普段どおりに教鞭を振るっています。
(今回は少し無理しちゃったかな、少し肩が痛いや。しかし、やっぱり柔らかかったなぁ、
宮崎さんの体……それに、ちょっといいにおいしてたし。て、おっとっと。何を考えているんだネギ=スプリングフィールド!)
…こらこら、聖職者に相応しくない教鞭を振るうのはいけませんよ。でも気づいたようで、何とか収め様としているようです。
第二話終
第三話
ネギが授業を再開しだした頃、保健室では――――
「あー、なしてこんなときに先生いないかなぁ、アカンわしかし。
それにしたって、ごっつう珍しいわ、のどかがあない見事に眠りこけるなんてなぁ。」
「亜子さん……すいませんです。授業の邪魔したみたいで。」
「別にウチに謝らんでもええねん。それよりのどか、最近、徹夜するほどのめり込んどる事、なんかしとるん?」
「いえ、特には……。というより、普通に寝ているです。」
「あるいは、何か激しい運動するようなったか……?」
「いえ……。」
「あー判った、かなり激しいオナニーとか?それもネギ先生でヤッとるとか。のどか、先生見るとき熱の入った目で見とるからなー。」
(!!!!)
(うわー、ごっつぅ判りやすい子やなぁ、ウチ冗談半分で釣っただけやのに……なーるほど、そういうことなら話は早いわ。)
亜子のトラップに見事に引っかかり、のどかは顔を耳まで赤くした。
「あー冗談や冗談。せやからそない蛸みたいに赤くならんと。別に先生にメロメロになるな言わんし。いいんちょもあーやから。」
「亜子さん……あなたは、ネギせんせいの事、本当はどう思っているのですか……?
確か、ドッヂ決戦の元となった諍いの後、ちらっと「ちょっと情けない」と言っていたように聞こえたですが……。」
「!……そ、それは……。」
探りを入れながらおどける亜子に、淡々と、且つはっきりとした言葉でのどかは反撃を加える。
「でもその後、何も無かったように良い感じで接していますよね……。
確かにネギせんせいは高畑先生みたく年齢も経験も至っていません。
結果的に、話がこじれて高畑先生が割って入ったそうですが、
ネギせんせいも、静観しないで何とか止めようとしただけ立派です。
そして本戦の時、皆の士気が落ちたとき、やる気を奮い立たせようと入れた檄、
あれがなければ、私を含めてみんな瞬殺されていたでしょう……。
まだ右も左も判らない状態でそこまで引っ張れるネギせんせいは、情けなくなんかないです。
そして………………そう考えると、亜子さんは……ちょっと、調子が良すぎではないかとしか思えません!」
「うぅ…確かに諍いの時はちょっと……思うたけど、流石に自分もあの後
言い過ぎちゃうか考え直したさかい。せやからそこまで言わんでも……な。」
(うわ――――――、これはウチの想像の遥か上空行っとるわ。
のどか本気や。こない怖いのどか初めて見たわ。これが所謂愛の力つー奴か……。)
亜子、藪を突いて見事なコブラを出してしまったようである。
「のどか、ちょっと調子乗りすぎたわウチ……
そこまで考えとると知らんと無責任な事言うたり釣ってからかったり……ほんま、堪忍な。」
「判ってもらえればいいですー。流石に今のは自分も大人気無かったし……。」
「ええてええて。しかし、そない考える根底は、やっぱり、先生の着任初日にもあったっつー、今日のような事なん?」
「………………。」
再び頬を赤く染め、亜子の問いにこくり、と首を縦に振る。
「否定はせぇへん、と。しかし、さっきの言葉だけで確証するのもなんやけど、
意外と芯強いんやな、のどかって。それやったら……いいんちょとかまき絵とか、ライバル多いけど、上手くいくかも知れへんな。」
「い、いえ……それ程でもないですー。でもその発言、まき絵さんの前では口が裂けても…。」
「あー、酷いなぁ。確かにまき絵とは同室のよしみで
宜しうやっとるけど、今のそれと関係無しに本心で応援したんやけどなぁ。」
口ではしょげているようだったが、亜子の顔はすぐに大笑いに移れるような緩み方を呈していた。
「くすくす……。ご、ごめんなさいです……。」
「あはははは………………!」
信奉者と元・離反者、雨降って地固まったようだ。
「……ところで、さっきよりも顔色は良くなった様やけど、どないする?復帰するか…用心とるか。」
「一応……今日はゆっくり休んで調子戻しますー。」
「了解。荷物取りに行くときに先生と相方衆には言うておくから、大事にな。それと……健闘、祈ってるで。」
「は、はい!」
「ほんじゃ、ちょいと荷物持ってくるまで待っててやー。」
その日、のどかは、授業を早退した後、図書館島に寄って、数冊、雑誌と書物を借りて寮に戻っていった……。
第三話終
第四話
本屋轟沈事件の夜 宮崎・早乙女・綾瀬宅
「ただいまー、のどか。……あれ、もう寝てる。」
(あ、そっか。『例の作戦』の為に寝てるんだ…。)
気を遣い、なるべく音を立てないように動くハルナ。
明日の準備をしようとしていたとき、不意に、のどかが借りた本に目がいく。
(ん?医学書っぽい本に写真週刊誌のストック…何に使うんだろ…ちょっと見ちゃえ…………な、何じゃこりゃぁああ!!)
その本の中身に、ハルナは心で叫ぶ事を禁じえなかった様である。
(あ、あは、あははははは…………同人誌でも試してない事を……
私の想像の遥か上飛んじゃってる…じゃなくて、のどかちょっとそれは先走りすぎだよー。)
一体ハルナは何を見て戦慄しているのだろうか?
「ただいまです…。」
(のどかはともかく、なんでハルナまで寝ているですか…?)
安らかな寝息をたてて寝ているのどかと、何かに怯えるように蹲って布団虫になっているハルナを見て、
原因を目で探る夕映。そして、のどかの机にあった先ほどの蔵書を見つけ、目を通し……そして、口元を歪めた。
(ふふ……これで、朝の件以上にのどかの本気が判りました。
しかし明日はバカレンジャーの居残りテスト……ここは一つ、二人の為に一肌脱ぐとしましょう!)
特殊部隊を彷彿とさせる、普段はパジャマ代わりの抹茶色のツナギを纏い、軽装備で夜の図書館島へ出向いていった…。
ほぼ同刻 神楽坂・近衛・ネギ宅
今回は人助けという事で明日菜の御咎めを受けなかったネギ。
明日の労働のために既に寝た明日菜をよそに、明日の授業と小テストの準備をしながら物思いに耽っていた。
(むー、何なんだろう。アレ以降、どんなに集中しようにも宮崎さんの事が頭をよぎる……。
確かに、バカレンジャーや木乃香さんより会う事は少なくても、中身は濃密だよなぁ。
図書館での一悶着、彼女の友達による前髪御開帳、それと、着任初日と今日の救出劇…。
特に今日は、助けたあと、何となく、胸の中が甘酸っぱい感じで一杯になっていたし………。)
「ネーギ君っ、何仕事止めて考え事してるん?」
木乃香が、ホットレモネードを持ってきてネギの様子を伺った。
「あ、木乃香さん。いや、今日もまた色々とあったなー、と思いまして。」
「本屋ちゃん救出とか、本屋ちゃん救出とか、本屋ちゃん救出とか?」
「ぶ――――――――――!!!!!ななななな、何言い出すのですか!?」
「あははは、やっぱり。そんな事やろ思たわ。」
木乃香に図星を突かれ、レモネードを噴き出してしまうネギ。
「まぁ、確かにその通りなんですが…。教師として、なるべくなら不平等無く
皆と接していきたいと思っているのですが、今日はどういうことだか、そういう考えが飛んでしまって…。
気が付いたら、まぁ、木乃香さんの読み通り、宮崎さんのことばかり考えているな―――――――、と。」
「なるほどなー。まぁ、たまたま本屋ちゃんとの間で衝撃的な事が重なったからとちゃうんかな?
せやから、あまり気にする事はないんちゃう?もうちょっと教師続けてみれば、他の子とも色々あるから、それで釣り合う思うけど。」
「そ、そうですか…。だといいんんですが……。」
「ふふ。まぁ、ウチもあくまで生徒の身やから、あまり自信持てないけどな。…ささっ、早く仕事片付けて寝よっか?」
「あ、はい。それじゃ、もうちょっとやってから寝ます。」
「了――解。」
(……と、当たり障り無く答えてみたけど、ネギ君、本屋ちゃんに淡いながらも好意を抱いているなぁ、これは。
多分本屋ちゃんもネギ君のことは満更ではなさそうな感じやしな…アスナ、もうちょっと素直にならな、いつまでたってもバカレッドやで。)
良きお姉さんを演じつつも、しっかり裏を読んでいる木乃香。流石は学園長の血を引く存在である。
翌朝 午前4時すぎ
「あ、おはよう、ネギ坊主。どうしたの?夕べはいつものようにアタシのベッドに潜り込んだりしないで。」
「僕だって……いつまでもそこまでの子供のままではいませんよ。」
「ふーん、変なの……。一丁前に大人ぶっちゃって。この時間生かして魔法の練習でもしてなさい。そんじゃ、行って来るね!」
「いってらっしゃい、アスナさん。」
(……でも何か調子狂うな。最近ではアイツが潜って来るのも満更じゃなくなったのに。
……不正直な自分の自業自得か。ま、私には高畑先生がいるしね――――――――――!)
―――――明日菜、永続バカレッド、確定―――――
「さて…木乃香さんは寝ているし、今日の準備は済んでいるし、出かけるまで魔法の練習しておくか。」
教師としてのいつもの正装を纏い、魔法の練習のために寮の裏の広場に出ようとするネギ。
しかし、目の前に、部活には早いのに制服に着替えてうろついている生徒を見かけ、誰であるか気づいた。
「ん……誰かなー、アスナさん以外でこんな朝早くに……
あれ、まさか………………宮崎さん?!……宮崎さーん!」
「……あ!お、おはようございます……ネギせんせい。」
「どうしたんですか?こんな朝早くに。まだ寝ていてもいいんですよ。」
「い、いえ……今日はたまたま、目が覚めてしまったので、散歩でもしようかと……。
あ!えっと……昨日、早退して聞いていなかった所、やっておこうと思うのですが…ダメですか?」
「いえ、僕は構いませんよ。しかし、誰から僕がこの時間に起きている事を聞いたか知りませんが、殊勝な心がけです。」
「そ、それ程でもないですー。……あ、教科書とノート、取りに部屋に戻るので待っててくださいー。」
一欠片の勇気を振り絞ってネギと対面したのどか。なんとかきっかけを掴もうと授業の質問という形で近づいた。
そして、寮の玄関前のロビーにて……
「……ふむふむ。ふむふむふむ。全く問題ありません。
すごいですよ。これだけ短時間で理解できるなんて。昨日の所だけでなく次の所まで。」
「あ…ありがとうございますー。」
「何となくですが、宮崎さんが皆から「本屋」と呼ばれている理由がわかった気がします。」
「……ネギせんせいまでそういう事言うとは思わなかったです……。」
「あ、ご、ご、ごめんなさい!!気に障ってしまいましたか?」
「くすくす……いいんです。もう慣れっこですので……。」
「あ、あは、あはは…………。
えっと、他には、何か質問はありませんか?授業の事だけでなく、クラスの事とか、生活態度とか。」
「あの……着任して早々忙しかったみたいなのであまり知らないのですが、
ネギせんせいの事とかについて……色々とお話をしたいのですが……ダメ、ですか。」
「え?ええ……まだ時間はいっぱいあるので、いいですよ。聞きたい事があれば、何なりと。」
(なななな、何で僕の事を……。でも何でだろう、あまり気恥ずかしいと思わないな。魔法以外の事だったら…。)
のどか、早い目覚めで少しハイになったのか、普段では考えられない大胆なもう一歩を踏み出した。
「えっと……いま、居候している部屋の、アスナさんの事は、どう思っているのですか…?」
「んー、皆の評判どおり、粗野で、凶暴で、言いたい事をズケズケいう、怖い人です。
でも、時折、生徒として、或いは人として至極真っ当なことを言う、良い面を持っています。
まぁ、性格が性格だからか、たまにそれだけの事を言っておきながら自分を律せない事があるようですが。
今同室しているのは、さっきの良い所と、自分の姉に雰囲気が似ている所に惹かれたから、かな?そんな所です。」
「そうですか…………。」
(なんで、アスナさんの事を僕から訊く必要があるんだろう……。まさか……ねぇ?)
この時点で、そのまさかが、現実となり、自分の世界を変えるとは、ネギには夢にも思わないであろう。
「あ、あの……。」
「は、はい?」
「私の事は……せんせいから見て、どう思いますか?どんな事でも言って構いません!」
(宮崎さん、なんで、こんな事でムキになっているのかな?
顔赤くして……でも、何か、愛おしく感じる……。この際、嘘を言うのは止めよう。)
「率直に言うと、宮崎さんは、端から見て、危なっかしく思えてくるのです。
引っ込み思案だったり、あまりイヤな事をイヤと言えなかったり、よく逃げたり、転んだり。」
(!!!!そ、そんな…………。)
いきなり、ネギに神妙な顔で自分の短所をハッキリと言われ、落胆しかけるのどか。しかし……。
「でもその一方で、普通なら聞き流しそうな事もしっかり聞いて記憶する覚えの良さを持っています。
そして、普段、人があまりしたがらない事も、文句を言わず、黙々と成し遂げるような粘り強さもあります。
追われている僕を匿ったり、この前のドッヂで相手の不正を暴いたりといった、やる時にはやる、という姿勢も好感が持てます。」
(え……ネギせんせい……そこまで……。)
まだ完全に慣れない環境下でも、自分の事をしっかり見ていたネギに、のどかは心から感謝と好意を思い、顔を紅潮させた…。
(好感が持てるって、何を堅苦しい事を……って、!!!!!!!!!……そっか、僕は、そんな「堅苦しい事」抜きに、宮崎さんの事を……。
気が付いたら、自分に言い訳してアスナさんを何とか美化してたのと違い、宮崎さんに対しては、素のままの心で見てたっけ。
でも、今は僕は教師で、宮崎さんは僕の教え子。しかも、年齢的には本来、立場は逆。この場は一旦、婉曲に伝えておこう…。)
やっと、自分の心の霧が晴れ、素直な自分の心に気づいたネギ。しかし、教職という立場上から、理性をフルに稼動させ、想いを少し殺し、結ぶ。
「宮崎さんのような人は、将来、困った人を、心と知識で助けるような人…弁護士とか、カウンセラーとかに、向いているような気がします。
多分、粘り強さ、正義感、優しさで、例え世間の名声は浴びなくても、慕って頼りにする人が多く集まるでしょう…………。
自分が、何か困った事が起きたときには、ぜひとも、このような先生に相談してみたいです。
このような人のパートナーになる男性は、例えどんなに大事な日を忘れても、怒られずに思い出せそうで、幸せだと思います…………あっ!」
自分の想いを、教師らしい表現で婉曲に纏めた刹那、のどかは、ネギを自分の胸にぎゅっ、と強く抱きしめた……。
「み、宮崎さん!い、一体何を…。」
「すいません…ネギせんせいが、私の事、ちゃんと見ていた事が嬉しくて、つい…。」
「そんな…大袈裟ですよ。教師として…時間がかかっても、教え子について理解に努めるは当然のことです。」
「それでも一向に構いません!私の…悪い所、良い所、自覚していた通り理解してくれたですから…。だから…。」
「だから…………何でしょう?」
「時間が来るまで…………もう少し、このままで居て、いいですか?」
「わかりました……。宮崎さんの、お気の済むまで……。」
(まさか……とは思ったけど、宮崎さんも、僕の事を……。こういうのを、「運命の出会い」…超さん的に言う所の「邂逅」とでも言うのかな。
嗚呼……今の立場…教師と生徒、自分が年下、そして、互いに社会的に年端がいっていない今の状態が、こんなに恨めしいものなのか…。
それにしても、宮崎さんの胸の中…お姉ちゃんとも、アスナさんとも、におい、感触が違うのに、すごく落ち着く…それでいて、、心が昂っていく……。)
図書委員・図書館探検部という所属ゆえに微かに染み込んだ蔵書のにおい。
部屋を出る前に身を清めていたのであろう、石鹸のにおい。
そして、のどか自体が放つ固有のにおい。
その三つのにおいが三位一体となってネギの鼻腔をくすぐり、落ち着きつつも昂る感情を創り上げていく。
「ネギせんせい……ちょっと、顔を上げてくださいー…。」
「は、はい?」
「……昨日、倒れそうになった私を助けてくれた、お礼です…………。」
「あ…。」
見上げたネギの顔を前髪で覆い隠すように、のどかはネギに熱いキスを与えた。
ネギの小さな口を舌で器用に開け、互いの舌を絡め合う…。
片や、上から覆いかぶされるようにされ、片や、不意に自分の素顔を見られながら行っているため、
双方共に、キスとは思えない昂揚感が襲い掛かり、また、それに陶酔していた……。
第四話終
第五話
たったったったった…………
「はあはあはあ……たしか、島はこっちだったはず……。」
仕事を一通り終えたネギは、一心不乱に図書館島を目指して走っていた。
杖で飛ばず、魔法力アシストも使わずに。
そんな事すら失念させるほどに必死で走っている。何故にそこまで必死になっているのか。
その理由を、時間を遡って見てみましょう――――――――――――――――――――
午前中某時限・教科担任不在により自習となった2−A
手の空いたネギが監督を任せられ、面々に自習を促した。
「えー、期末試験ご苦労様です。その折に、この時間が自習になったわけですが、
他のクラスの迷惑にならぬよう、勉強しない人もあまり大声で騒がないようお願いします。
あと、判らない所、質問があるのなら、わかる範囲で僕が答えますので何なりと申し付けください。」
挨拶代わりにそういった後、ネギは、ゆっくりと室内を回りながらクラスを監督した。
黙々と終わらなかった宿題を片付ける人―――――
友達と取り留めない話に花を咲かせる人―――――
趣味・興味を持った事に没頭する人―――――
居眠りをする人―――――
ありふれた自習時の日常が展開される中、ネギは、この日の朝共に小さな大事件を起こしたのどかの元に近づいた。
図書室の貸出延滞図書のリストを纏めているようである。さっきまでは何事も無かったように無表情で仕事をしていたが、
ネギが近づいたのが判った時には、無意識の内に薄く微笑んでいた。そして、ネギがのどかの席を通り過ぎようとした刹那、
他に気づかれないようにすっと、「読んで下さい」と書かれた白い封筒を差し出し、ネギに受け取らせた。
(何だろう?宮崎さん…何か聞く時は大体直接聞きに来るのに……。
多分……今朝の事についてかな?だとしたら…今読まないほうがいいな。間違いなく他の子に怪しまれる。)
見事な英断である。自習が終わり、職員室に戻ってその内容を見たとき、
ネギは今朝感じたのに似た感覚に苦しさを加えたソレに襲われた。その内容は―――――
ネギせんせいへ
今朝は楽しい時間を下さって有難うございました。
教師と生徒としてどう思っているかよく判りました。
ですが、一個人としての本音はまだ聞いていませんね。
私も、生徒としてでなく、一個人としての本音を打ち明けたいと思うので、
職務が終わった後、図書館島上層部の第○○閲覧室に来てください。
多分、夕映さん達の事で遅くなるかと思いますが、私は待っています。
Nodoka Miyazaki
そう書かれた手紙と、その閲覧室までの安全なアクセス方法が描かれた略図が入っていた。
(確かに…一個人としてどうか、ということは言ってなかったな……。
……もう、年齢差がどうとか教師と生徒がどうとか言ってられないな。ここまで真摯に向かわれたら。
しかし、偶然とはいえ、なんでこんな日にバカレンジャー達の居残りをやらせようとしたのだろう…………。)
自分の素直な気持ちに従って新たなモヤモヤをふっ切ろうと決意しつつ、重なった偶然(?)と己を恨むネギであった。
そして、放課後
ネギはもちろん、バカレンジャー達も目を疑う事態が起こった。
いや、この場合は、「バカレンジャー -1」としたほうが良いだろう。
何と、今回は、バカレッドが途中退場…もとい、早退していたのである。
「えー、アスナさんが居ないようですが……だれか理由がわかる人居ませんか?」
「レッド…いや、明日菜さんは昼過ぎから腹痛を患って早退しましたです……。」
「はぁ…。わかりました、綾瀬さん。では、とりあえず、2年生最後の補習をしようと思います。
今回の期末は皆さん健闘したようですが、それに慢心しないようにと、おさらいの意味を込めて行います。それでは。」
(よしっ!このメンバーだけだったらそこそこ早く切り上げる事が出来る!!
……あれ?なんてこと考えてしまったんだろ……今のアスナさんなら何とかなりそうなのに。
前まではアスナさんの事をよく考えていたのに……まぁ、後でもお腹がおかしいようだったら魔法で何とかしよう。)
神楽坂明日菜、ネギ内優先順位大幅下落。憐れなり――――――。
(明日菜さん、すいませんです。バカレン以前からの朋友・のどかと、先生のためと思って、辛抱です…。
しかし、昨日島の資料で、即行で市販薬で調合した下剤がまさか貴女ほどの存在にもてき面に効いてしまうとは…。
のどか。ネギ先生。私が怪しまれない程度で出来る支援はここまでです。後は貴方達次第です。頑張ってくださいです!!)
どうやら、バカレッドはバカブラックののどかの為を思っての暗躍の餌食にされていたようです。合掌。
それにしても、魔法の本騒動で武者震いしたり、こんな無謀な暗躍したり、食えない存在である。綾瀬夕映。
こうして、重荷(?)の居ない状態での補習は順調に終わった――――――――――――――――――――
翻って元の時間軸
「はぁはぁ……。ようやく着いた…。えっと、次は宮崎さんがいる閲覧室か……。
えーと、なんでこんな変な道順……。あ、そっか。
今から入れる地下ルートだと地表まで罠があるんだっけ。それを避けるために…。おっと、考えてる暇は無い。早く行かなきゃ!」
騒動の事を思い出し、魔法力のアシストを全開にしてそのルートを走り出すネギ。
しかし、期待と焦りからルートを失念して罠を発動させるが、それすらも軽くいなして地表に出、
いよいよのどかの居る閲覧室に辿り着いた。どうやら、屋上にあるオープンタイプの閲覧室、とゆうより空間である。そして……!
「み、宮崎さん……遅れてすみません…。」
「ネギせんせい……本当に、来てくれたですか…!」
「はい……宮崎さんの、本心を聞きに。そして、僕の本心を伝えに…!」
「判りました。今から、伝えます……。」
やはり、いつもの両手をかざすポーズに、両目を隠した前髪になっているが、
しゃんとした姿勢で、首もネギの方向を向いている事から、のどかの決意が真剣であることが窺えた……。
「私は…今の今まで、男の人と付き合った事がありません…。
別に、毛嫌いをしている訳じゃないんです……。
この学校の環境の御蔭で、あまり触れ合える事が無くて、
その結果、男の人に慣れる事が出来なくて…そして今に…。
でも、いつの日からか…とはいっても、つい最近ですが……、
その人は、ここの空気に馴染んでいない時に、非力でありながらも、
私を助けてくださいました…。あれがなかったら、多分…
私は、この場所に、存在していなかったかも知れません……。
それ以来、その人の存在が、そして、その人が振るった言葉が、
その後の私の…そして今の私の、ささやかな勇気の源になっている気がします。
その人が窮地に陥った時、私が必死で匿ったのも…
その人から、勇気を貰っていたのかもしれません……。」
「………。」
「でもその一方で、散々その人から勇気を貰っていながら……
中々お礼が言い出せなくて……そして、皆のように普通に触れ合えなくて…。
結局自分の殻の中だけで自己完結の妄想に浸り、以前の私との堂々巡りをしている事もあります。
余程の秘め事で無い限りは、自己完結の妄想も……虚しいだけですよね……。
そうしていく内に、周りがその人との距離を縮め、自分はそのまんま。相対的に、格差が広がるばかり。」
「宮崎さん、自分を責めないで!」
「だから……差を広げられたくないから、虚しい自分になりたくないから、この場で…はっきり言います!」
「ネギせんせい……好きです。
せんせいの存在が…言葉が…今までの私を支えてくれました。
今朝…私の長所から……私は、知識と心で人を支える存在になる、と言いましたよね?
今の私じゃまだ、未熟かもしれないですが……これからは、支えられるだけでなく、支えていきたいです…!」
一陣の風が吹き、ほんの数秒、のどかの片目が垣間見えた。
穏やかな彼女から想像も出来ない、鋭く真剣な眼差しが、この告白に嘘偽りが無い事の証人となっていた……。
「宮崎さんが言うほど、僕は格好の良い存在ではありません。
僕は、数え年でないと、まだ年齢が一桁の「お子ちゃま」です。
壇上で経歴を生かして弱みを見せないようにしているのですが、
それ以外では、どこにでも居る……普通の年相応の子供です。
この見た目から、信頼を得た今でもたまに舐められる事があります。
故郷を、親友を、そして、姉を懐かしがって枕を濡らす事もあります。
姉と暮らしていた時の癖で、人の布団に潜り込んでしまう事も多々あります。
それ以外の事も含めて……非常に甘えん坊で、自立できていない所もあります。
また、ゴネて、ドッヂの時のように、キレて何をしでかすか判らない人間でもあります。
そんな僕でも良かったら……何度でも支えてくれませんか?
その代わり、何かの時は、僕も支えますから。……宮崎さん、僕も、あなたの事が好きです。」
魔法学校の修行の時のような、きちっとした姿勢と、鋭い眼光は、もし、顔の紅潮が無ければ、かなり退いていたであろう。
それだけ、ネギも、のどかの本心を受けて、真剣に想いをさらけ出していたのであった。
そして、ネギの本心を受けて、のどかの表情は、目に涙を浮かべながらも、安堵と、幸せが満ち溢れた、いつもとは違う穏やかさを呈していた。
「嬉しい…ですー。
だから…ネギせんせいも、自分をあまり悲観しないで下さい。
これからは、言いづらい困った事や、淋しくて甘えたい時は、
是非私を頼って下さい……探してる本を尋ねる感覚で……。」
「宮崎さんも、今後は、授業以外でも、
「何でも」僕に尋ねてきて下さい。これからも……宜しくお願いします。」
「こちらこそ……。」
互いの想いを確認しあった後、どちらからとも無く、
二人は、この日二度目の、早朝以来の熱いキスを交わした後………………
床にゆっくりと落ちていった……。
第五話終
最終話
「「んっ……ん、んん…………。」」
誰も居ない(?)図書館島で結ばれたのどかとネギ。思いを告げた後、どちらからとも無くキスをかわし、
そして今、互いに床に横たわり強く抱き合いながら唇を貪りあっている…。
「ん……み、宮崎さん……。」
「……これからは、学校以外では、名前で呼んで下さいー……。」
「は、はい。では、僕の事も、学校以外では「先生」と呼ばないでください…。」
「は、はい…………あっ、ネギせ…ネギくん……苦しそう…………。」
「ん……僕は何にも……あ!」
のどかの体の感触と口内に夢中になっていたせいか、ネギの股間は彼女のおなかの上で激しく自己主張しはじめていた。
それに気づき、ネギは慌てふためき、顔を赤くした。
「あ、ああ……ご、ごめんなさい――…っ!!」
「誤らなくてもいいです……私が……楽にさせてあげますー…。」
「あ、あ……ひゃああん!のどかさん……そんなぁっ!」
のどか、ネギを背中に向け、耳に息を吹きかけたり、耳や首筋を舐めながら、
ネギの身に纏わり付いている衣服を総て脱がせて裸にし、再び向かい合わせて、見とれている…。
「ネギくんの肌……女の子みたいに、綺麗……んっ、ん……。」
「あひゃ、んんっ……ひいいっ!くあっ……。」
ネギの肌の感触を味わうように、唇、首筋、胸板、わき、乳首、鳩尾、へそ、下腹、と順番にゆっくりと
確信犯的に舐め下ろしていった。そして、いよいよネギの分身へと到達しようとした時、のどかは息を呑んだ。
(うそ……まだ9歳なのに、こんなに……大きいなんて……これが……私に……入るですか…?
でも……女の子みたいに……こんなにびちょびちょに……ごめんなさい、すぐに楽にはしてあげられませーん!)
故郷では割礼がある所為なのか、アングロの血なのか、とても9歳児とは思えない茫洋たる大きさのネギのペニスを見て
一旦は怯むのどかだが、一連の愛撫でとめどなく溢れる先走りに濡れる姿をみて、安堵したと同時に悪戯心に火が付いてしまったようだ。
そして……
「えう……あう……ああああんっ!の、のどかさん……ひぐううっ!」
「くすくす……ネギくん……偶に木乃香さんの言うとおり、女の子みたいです…この状態だと特に…こんなに濡れて……。」
のどかは左手と自分の口でネギの乳首を愛撫しながら、右手の指でネギの肛門を弄んでいた。
特に右手の指は的確に前立腺を捉えており、それによってネギのペニスは先走りをあたかも射精のように迸らせている…。
先ほどの上半身の愛撫と、今のペニス以外の弱い部分への集中攻撃で、ネギの頭は霞と雷が同時に立ち込めた様になっていた。
「ネギくん……。」
「……ぁ……ぁぃ……。」
「お、男の子のココも、女の子の大事な所も…性別が決まるまでは…同じ部品だって事、知ってますか……?」
「……ぇ……ぃゃ……。」
「だから、女の子も、蹴られたりすると凄く痛いし……逆に、男の子も、指でなぞられると、凄く…イイと聞きます…ほら……。」
「!!!!!!うわああああんっっ!」
先程まで肛門を弄んでいた右手を、今度は、自分のオナニーの時のように、ネギの睾丸の上で躍らせるのどか。
揉みしだいたり、引っ張ったり、或いは自分の大陰唇を弄る要領で、周りや、繋ぎ目を指で優しくなぞったり。
それにより、ネギは、無いはずの女陰をかき回されているような錯覚に陥り、ますます前後不覚になった。
それにしても、初めてなのにどうしてココまでの技を使いこなせるのだろうか?
(ハルナさん…驚かしてしまってすいませんです…こうして覚えないと、ネギくん…悦ばせられないですから……。)
どうやら、ハルナが驚愕し、夕映が思いを汲み取ってニヤリとした「あの本」から知識を吸収していたらしい。
性感帯やその弄り方、或いはその時に使うと良いツボ、辺りだろうか。ここでも、「本屋」のあだ名が伊達で無い事を示しているようである。
互いに初めてである事でも十分昂るであろう。しかし、そこまでする辺りが、ネギの気づいたのどかなりの「優しさ」故なのであろう………。
「あああああ!の、のどかさん……出る、出ちゃうっっ!!!!!!」
「出ますか?出ちゃいますか!……私の口に……遠慮なく出して下さい!!」
かぷ
びゅるるるるるるるるるる…………
「ああっ!くはあああああっっっ!のどかさああんんっ!」
「うぶっ!……ん、んっ…………んんんんん!」
いつ爆発してもおかしくない状況に置かれていたために、のどかの口の感触でついにネギのペニスは起爆した。
シャンパンファイトのように迸る精液を、のどかは総て喉に流し込んだ。
しかし、その行動と精液の匂いに酔ったのか、のどかは精液を飲み込みながら軽く昇天してしまっていた…………。
「はぁ…はぁ…のどかさん……。」
「ん……んん……あんなに大量に出せるなんて……すごいです……。ネギくん、気持ちよかったですか?」
「……は、はい……。」
「よかった……。それじゃ、今度は、私を……同じように、して下さい…。」
そう言って、自分の着衣を脱ぎだすのどか。先ほどの興奮から、瑞々しい肌はほんのり桜色に染まっている。
超中学生級が揃った2−A連中の平均からすれば幼いとしかいえないものの、将来の発展を有望視できる
要所の肉付きの良さをもった体は、本来の年齢を考えれば十分魅力的に映るであろう。
「すいません……これだけは……アスナさんや木乃香さん達には敵いません……。」
「のどかさんはのどかさんで良いじゃないですか……。皆が良すぎるんです。
僕みたいに小さな手には…これくらいが丁度いいくらいですよ…結構きもちいい…。」
「あ、ありがとですー…あ、ああん!」
(ネギくんが…私にしがみついて、一生懸命吸い付いてる…かわいい……あっ。)
のどかの上に覆いかぶさり、自分にされた事をトレースするように愛撫を行うネギ。
意識が飛び飛びの状態での記憶を辿っているのと、やはり経験が無い事からか、ぎこちなさを隠せない。
しかし、ぎこちないながらも一生懸命な愛撫と、それを必死に執り行うネギの姿を見る事で、
のどかは十二分に自分のオナニー以上の快楽の波を享受する事が出来たのである…。
「はぁ……ネギくん上手です……次は、ここを……。」
「のどかさんのここ……何もしていないのに、凄い事に……。」
「い、言わないで下さい〜……さっき、ネギくん逝かせたときに、一緒に……。」
「……これで、お互いの恥ずかしい所、見られたので、おあいこですね。えいっ…。」
「ひいいいっ!そ、そう、もっと、深く………!」
(のどかさんのここ……凄く熱い……いいにおい……美味しい……目が回りそうだ…。)
じゅぶっじゅぶっじゅぶっ
「あ……ああああああああああ!」
ぷしゃああああああああああっ!
「うわあっ!」
自分の舌に反応するのどかの膣に夢中になったネギは、潮吹きという意外なしっぺ返しを喰らった。
それだけネギの執拗な責めに感じていたのだろう。
「ご、ごめんなさい〜〜!!!!」
「いいんです。僕も、のどかさんの口に流し込んだので、これでまたおあいこです。
それに、僕の下手な責めに感じてくれたので、嬉しく思えてくるのです…………。」
「くすくす……あ、ありがとうですー。あ、ネギくん、また、おちんちんが苦しそうに…。」
「え、あっ……!」
「それじゃあ、今度は、私の……ここで……思いっきり爆発させてください……。」
そう言った後、のどかは、ネコのように四つんばいになり、自分のをネギに向けて体勢を整えた。
「本当に…………僕ので、いいんですか……?」
「はい……後悔はしません……!」
「……わかりました。僕も、覚悟を決めます!では……んっ。」
「あ……そう、そこです……そう、ゆっくりと…………………………ひぎいいいいいっ!!」
「!」
ついに一つになったのどかとネギ。しかし、のどかのサイズに対してあまりにもネギのが巨大だった為、
一瞬にして処女膜が引き裂け、おびただしい出血が二人の太ももを伝って流れ落ちていった…………。
「のどかさん!のどかさん!」
「わ、私は平気です……!」
「そんな事言っても……凄く痛そうな顔しているじゃないですか!」
「いいんです!私に構わず……奥まで貫いて下さ――い!!!!!!」
(とは言われても……こんなに苦しそうにしているのに、自分だけ良くなるなんて出来ない!もうどうなってもいい!)
「ふんっ!」
「え……あれ?痛みが全然無い……ネギくん……一体何を……ああっ!」
「いや、言うとおりに貫いただけです……ただ、きつかったから思わず掛け声が……!」
バレるのを覚悟の上で、ネギは無呪文で治癒魔法を施した。後先を全く考えていない。まだ子供である。
本来なら、ネギにとって治癒魔法は不得意分野であったが、痛がるのどかを見たくない一心から見事に成功させてしまったのである。
そして、取り敢えずは何とか誤魔化そうと掛け声に紛らせて抽送を始めた……。
「ああ……凄い……おなかが熱い……おなかの中でネギくんが暴れてるです――――!」
「のどかさんの中も凄いです……ぬるぬるで、柔らかくて、締め付けが強くて…………。」
痛みが消えて、快楽のみがのどかに襲い掛かり、どんどん狂わせていく。
それに呼応して狂おしく蠢く膣がまた、ネギのペニスと理性を溶かしていく。
もう既に、互いを貪り喰らうことしか眼中になくなっていた……。
ちゅぱ、ちゅぱ……
「やあああん!」
「のどかさんの乳首、痛そうなくらいに固くなってますよ……。」
激しく腰を打ちつけながら、ネギはのどかの乳首に吸いついた。
くりっ、くりっ……
「はうんっ!」
「それじゃ……お返しです……。」
膣を貫かれながらも、意趣返しと言わんばかりに、のどかはネギの両乳首を指で転がした。
「は、はあっ……のどかさん……僕、もう…………!」
「ネギくん、私もです……このまま、中に…………!」
じゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっ……
「うわあああああっ、出る、出ちゃうぅっっっっ!!!!!!!!!」
「あ―――――――――――――――っ!ネギくん、ネギくうぅぅん!」
お互いを強く抱きしめながら、二人は同時に絶頂を迎えた……。
精液と愛液が、出口を求めるように勢い良く結合部の隙間から溢れ出し、それによって二人は離れた。
それでも、余韻を味わうかのように、二人は抱きしめあいながら、恍惚の表情で息を整えていた……。
「ネギくん……。まだ、私に隠し事、ありますよね……。」
「へ?」
「さっき、私が、破瓜を迎えて…つまり、初めてをあげた時に酷く痛がっていた時、一体何をしたのですか?
中々入らなくて、掛け声を出したって、言ってましたが……タイミングがずれていたので、不自然だったので…。」
「え!?あの…それは…その……。」
「何があっても、もう驚きません!真実が欲しいです!隠し事の所為で、また離れ離れになるのは、嫌です……。」
「……判りました。もう何も隠しません。実は僕は――――――」
ネギは、今まで隠し通していた素性を洗いざらいのどかに打ち明けた。
自分が、駆け出しの魔法使いである事。
魔法学校を卒業し、正式な魔法使いになる為の修行としてこの学校に来たという事。
今までの能力の高さは、みんな魔法の力によるものである事。
その事は、他の誰にも本来はばれてはいけない事。
バレた事が知れたら、資格剥奪、あるいはそれに更に存在を消されてしまう事。
そして、着任初日に、既にアスナにはバレてしまっている事……。
本来なら、この場で記憶を消してしまったほうが、誰の御咎めを受けず、そして今後の修行の為になる。
しかし、それでは本当にのどかを救った事にはならず、何より、本当に好きになった子の中の思い出が消える事が、
かえって自分のためにならないと考え、この事を誰にも口外してはいけないという約束をした上で、静かに語った……。
「…………。」
「ごめんなさい……今まで、ずっと騙してしまって……。」
「………………しいです……。」
「へ?」
「……うらやましいです……。そんな、素晴らしい力を、持っているなんて…。」
「ええええ?なななな、何で、驚かないんですか!?」
「確かに……魔法がこの世の中に存在するということには驚きましたです……。
クラスの中にも、常識が通用しそうもない凄い子が一杯居てもう慣れたかと思いましたが。」
「じゃあ……僕が魔法使いだっていうことは……。」
「その事ですが……私にとっては……ネギせんせい……ネギくんは…既に
『その存在自体が魔法のようなもの』ですから……だから、驚かないことにしたのですー♪
ネギくん……だから、この事は、二人だけの秘密にしておきますから、落ち込まないで下さい…。」
がばっ!
「ひゃっ!?」
「ありがとうございます!……のどかさん!」
「もう……いいんですからー。」
ネギの中では、正直、のどかを少しみくびっていた節があった。急ごしらえの嘘では騙せなかったこと。
そして、我慢強さだけでなく、度量も持ち合わせていた事。その事に気づいた上で、心からのどかに感謝をし、再び彼女を強く抱きしめた…。
「お互いに、それぞれの立場では未熟者同士…
今後とも、お互いに、助け合い、注意しあい…そして愛し合い、夢に向かって互いを高めていきましょう。」
「はい〜。改めて……これからもよろしくお願いします……。」
身から出た錆から、本当の意味で再び強く結ばれた二人。
そして、互いの愛情と決意を表すかのように三度目のキスを行った……。
「あー、この時間だともう寮の門も入り口も閉まっちゃってますー……。」
あの後、穏やかな時を共有した二人。気が付けば、中学生としては非常に遅い時刻になっていた。
退路を失ったと思い、おろおろするのどか。そこに……。
「なら、空から入りますか?」
「えっ!?」
「のどかさんにもバレてしまったので、今回だけ、サービスしちゃいます。えいっ!」
その場で杖の封印をとき、飛行体制に入ったネギ。少し前よりに跨り、のどかを招く。
「うわー……本当に、空飛べるんですね……。あ、後ろ…いいですか?」
「はい。もしかしたら振り落とされるかもしれないので、しっかり掴まって下さい。それじゃ…うんっ!」
ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………………
(!何だこれ……いつもと同じ感覚で動かしているはずなのに、えらく強い力が……)
「のどかさん!」
「え、は、はい……。」
「今の僕だと本当に振り落としそうなので……よっと、これで、落ちないと思います。」
「そ、そんな事しなくても……あ、ありがとうです…。」
どういうわけだか強大化した魔法力によって落ちないよう、ネギは自分のネクタイを
腰にしがみついているのどかの手首に巻き付け、しっかりと固定し、浮上した。
「うわー……本当に飛んじゃってますー!!」
「何なら、もうちょっと高く行ってみますか?」
「うわー!あれが私たちの街……凄く綺麗……。」
「行き詰った時なんかに、偶にこの高さまで飛んではこの眺めを見ているのですが…気に入りましたか?
「は、はい…。あ、あの……。」
「どうしましたか?」
「もう少しだけ……この景色、一緒に見ていたいです……。」
「わかりました。体が冷えない程度なら、構いません。」
「ありがとうです……。」
互いの妄信・偶然から、深部まで触れ合って結ばれた恋人たちは、密着したまま暫しの空中散歩を楽しみ、互いの家へ帰っていった……。
翌日・学園長室
学園を取り仕切る好々爺・近衛近右衛門 と、ネギの日本での保護者・源しずな は、緑茶をすすりながら密談をしていた。
「まさか、ねぎ君とあの子が結ばれる事になろうとは……まさに瓢箪から駒じゃ。」
「学園長……また「力」で覗き見してたのですか?何もそこまで目くじらを立てなくても。」
「いや、目くじらなんぞ立てていないぞ。逆に寧ろ、このようなケースではどうなるか見てみたくてな。
結果としては、アレ以降、ねぎ君から感じ取れる力が、信じられないほど強くなっておることだし…。」
「なるほど…「唯一人を救えなくて、どうして皆を救う事が出来るか」の、実例を見てみたいと…いやらしいですわ、学園長。」
「いやいや、その例でいやらしいというのは、わしの知人がのたまった「強くなりたくば喰ら……」
言い終わる前に、総理大臣の許しがないと振り回せないごっつい顔つきハンマーで、
近右衛門はしずなに激しく突っ込まれた。そして二次元になりながらもこう結論付けた。
「まぁ、とりあえず、暖かい目で見守っていく事にしようかの……。」
「わかりました。」
〜完〜