
8.8cmPak43
ここ最近、奇妙な夢を連続で見る。
舞台はここ麻帆良学園。
いつもの様に授業を受け、いつものようにこのかお嬢様の護衛を行っているのだが、昼休みや放課後になると、決まってネギ先生に手を引かれて、ある場所へと連れて行かれるのだ。
行き先は体育館…そして、女子更衣室…
しかも、ネギ先生まで堂々と一緒に入ってきている。
そりゃあネギ先生はまだ10歳の子供だし、ここに居てもあまり違和感は無いが、そうやってじっと着替えているところを凝視されていると、こっちが恥ずかしい。
ん?ネギ先生、何故呪文を?こんなに大勢の人の前で魔法を使うと困ったことになるのでは?
止める間もなく魔法陣が浮かび上がり、何かの魔法が発動する。
対象は何故か私。何故更衣室で?何故着替え中?何ですかこのピンク色のハートはー!?
魔法先生ネギま1時間目SS
◇うちのせっちゃんにはショタコン&Hな子がついとるのですよ◇
…という風に、まったく訳が分からない夢なのだ。
こんな内容の夢が、もう2週間近く続くものだから、少し寝不足気味。
いかん、いかんと思いつつも、今日もまた授業中に居眠りしてしまった。
「刹那さーん!」
何気なく休憩場の辺りを歩いていると、不意にネギ先生に声を掛けられた。
身長に不釣合いな程長い杖を背中に携え、とてとてと懸命に駆け寄ってくるネギ先生。
きゅん
ん?なんだこの感覚は?
唐突に高まる胸の鼓動。とくん、とくんと動悸が強く速く脈を打ち、身体全体が風邪を引いたように熱を持ち始めた。
…び、病気か?
「刹那さん、何か悩みでもあるんですか?最近、どことなく上の空に見えたものですから…」
じっとネギ先生の瞳が私を見据える。
つぶらな瞳と小さな唇。こうやって改めて見ると、やっぱりネギ先生は相当に可愛い。
いいんちょさんがよく騒いでいるが、その気持ちも分からないでも……はっ!!
「いかん!いかん!いかん!私は何を考えているのだ!!私にはお嬢様というものが…いや、しかし…」
「あの…刹那さん?」
「ち、違うんです、ネギ先生!私は別に二股とか考えているのではなく、ただどのようにすれば遺恨無く丸く収まるかと、あくまで平和のために……こほん、何でもありません」
「は、はあ…」
不覚にも思わず取り乱してしまった。深呼吸、深呼吸。
まったく…私は一体何を考えているのだろうか。
どんなに可愛らしかろうとネギ先生は教員。そして私は生徒という間柄だ。
私の不用意な行動をとれば、健気に頑張っているネギ先生に、迷惑を掛けることにもなりかねない…
いや、そこのところは充分理解しているのだが…
「あのネギ先生…もう少し、近づいてもよろしいですか?」
ネギ先生の笑顔の前では、倫理概念は非常に脆弱だ。
まるで磁石に吸い寄せられるように、私はネギ先生の傍らにぴたりと寄り添った。
「あ、あの…これは流石に…」
互いの体温を感じ合える程の至近。恥ずかしくなったのか、ネギ先生は少し距離を置こうとするが、私はそれを許さない。
肩に手を回して、ぎゅっと先生の身体を引き寄せた。
「ち、ちょっと…待って…」
真っ赤になるネギ先生。
私より目線二つ程低い小柄な身体。驚きと不安を込め、上目遣いで私の様子を伺ってくるその可愛らしい仕草に、更に胸が一段と高鳴った。
「ネギ先生…ちょっと、こちらへ…」
先生の手を引いて休憩所の隅へ。
木々の間の目立たない小道を通り、人気の無い体育館裏へと向かう。
「刹那さん…あの…何かご用でも?」
私のらしからぬ行動に、戸惑うネギ先生。
先生の背後は体育館の壁面。通ってきた小道は私が塞いでいるから、退路は無い。
「ネギ先生…その…私と少し、スキンシップというものを…」
正直、自分の言動が理解できない。理解できないが、身体は勝手に動いてしまう。
「スキンシップですか?珍しいですね…」
私の言葉を素直にとったのか、ネギ先生はほっと安堵の息をついた。
だが多分、先生と私の思考にはかなりの差異があるだろう。
それに気づいた時、ネギ先生は一体どんな顔をするだろうか…