白帽子


誰もが日常は永遠なるものだと思っている。 
誰もが明日も一年後も同じような日常が待っていると思っている。 
誰もが自分自身の日常を疑うことなどしない。ましてや自分自身を疑うことなど… 
だが…もしその自分自身が、自分が思っていた日常が、まったく違うものだとしたら… 
人はどうそのことを納得するだろうか? 
今、その実験をしてみようと思う。一人の少年と、人と人ならざる者から生まれた少女を使い… 

 日本有数のマンモス学園「麻帆良学園」に少年が先生として赴任してから半年が経とうとしていた。 
少年の名前はネギ=スプリングフィールド。数えで10歳の幼さが強く残るかわいらしい少年である。 
もちろん彼は只者ではない。彼は魔法使いなのだ。 
しかし、そんなことを知る者はごくわずかであるし、例えそのことを聞いたとしても、信じるものはほとんどいないであろう。 
だか、彼はその力のゆえにさまざまな問題、事件、トラブルに巻き込まれている。 
そのことを語るには紙面が少ないが、少なくとも常人が100年生きようとも経験できないことばかりである。 
今起こる事もそんな奇妙にして常人には一生経験できぬであろう事件である。 


143 名前:白帽子[sage] 投稿日:05/03/01 21:55:25 ID:GoFG6PUn
 夏休みがあとわずかに迫り、学園全体がそわそわとした空気で充満している。 
ネギ=スプリングフィールドも教職の身でありながら、どこかその空気に酔わされているような、そんな感じであった。 
今日も職員会議で生活指導の新田先生に釘を刺されてしまったが、やはり、まだ、根は子供なのだろう。 
足早に寮に帰るその足取りもまるで天に昇るかのように軽やかである。 
いつもならそんな様子を、保護者兼同居人の神楽坂明日菜に突っ込まれていただろうが、職員会議のため先に帰ってもらっていた。 
今傾きかけた西日に照らされているのはネギと、ペット使い魔であるオコジョ妖精のカモ、 
そして…もう一人… 
「あの、ネギ先生。」 
 3年A組出席番号15番桜咲刹那が柔らかな微笑を浮かべながらネギに呼びかけた。 
「な、なんですか?」 
 ネギも突然の刹那の出現に戸惑いながらも微笑み返す。 
「ちょっとカモさん?この場を外していただけますか?」 
 ネギには気付かれないように、微笑みの中から鋭い眼光をカモにおくる。 
「は、はい?!わ、わかりやした、大佐!」 
 カモは何かにはじかれたようなスピードでその場から消えた。 
「早!それに大佐って…?」「どころで先生。」 
 カモが消えたのを確認すると同時に刹那がネギに問いかける。 
「はひゃい!?ななな何でしょうか!?」 
 思いのほか冷たく重い刹那の響きにネギの声は裏返る。 


144 名前:白帽子[sage] 投稿日:05/03/01 21:56:30 ID:GoFG6PUn
「先生…実は女なんでしょう…?」 
「は?」 
 ネギは刹那の突然の指摘にあっけにとられた。(そんな…まさか…) 
「何言っているんですか!僕は正真正銘、れっきとした男ですよ!」 
「そうですか?本当にそうですか?…じゃあこれを着てみてください、先生…」 
 刹那は心の底から楽しそうに微笑む。これからおこるであろうことを予感しながら。 
「こ、これはー…」 
 ネギは無意識にのどを鳴らしていた。刹那から渡されたもの、それは小学生用のスクール水着。 
 もちろん女子用の水着であった。ご丁寧に胸のワッペンには大きく「3ねんAぐみ ねぎ すぷりんぐふぃーるど」と書いてある。 
「水着…?」 
「そう…水着です。」 
「何で僕がこん―」「着たくないのですか?じゃあ認めるのですね?」 
 畳み掛けるように刹那はネギを言葉で追い込む。 
「いえ!そういうわけじゃなくて…」 
「では着てください。だが…今じゃありません。夜、十時にプールの更衣室に来てください。お待ちしています、ネギ先生…」 
刹那は一方的にまくしたてた後、そういうことで、と軽くネギに一礼し足早に行ってしまった。 
「はう…」 
情けない声を上げながらネギは女子用のスクール水着を握り締めその場で座り込んだ。 

―地獄の始まり― to be conteneued 



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