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麻帆良学園中等部は、運動部,文化部共に、クラブ活動が盛んな学校である。 
ほとんどの生徒は何らかのクラブに所属し、中には複数のクラブを掛け持ちしている者もいる。 
しかし、三月になれば、期末試験や春休みもあって、文化部については、ほとんどのクラブが実質的に休眠状態になっていた。 
それは、明日菜が所属する美術部も例外ではなく、期末試験が終わった今の時期に、わざわざ美術室を訪ねてくる者など、いるはずもなかった。 
しかし、明日菜は、放課後、隣にある美術準備室で、美術部顧問のタカミチを前に、神妙な面持ちでソファーに腰掛けていた。 
「決めてくれたかい、アスナ君?」 
タカミチの問い掛けに反応し、明日菜の頬に朱が差す。 
「は、はい…。」 
いつものような威勢のいい声ではなかったが、明日菜の口からは、承諾の意思を示す返事が漏れた。 
「そうか、それは、よかった。」 
タカミチは、ほっとした表情を浮かべてソファーから立ち上がると、部屋を仕切っている衝立の向こう側へと歩いていった。 
「アスナ君、こっちに来たまえ。」 
しばらくして、衝立の向こう側から呼びかけてきたタカミチの声に導かれるように、明日菜はゆっくりと立ち上がり、衝立の方へと歩いていく。 
衝立を超えて、美術準備室の奥に足を踏み入れた瞬間、明日菜の目の前に、いつもと異なる風景が飛び込んできた。 

「わぁっ…。」 
明日菜が感嘆の声をあげる。 
いつもは雑然と置かれている道具類はすっかり片付けられ、こんなにも広かったのかと思わせるような空間があった。 
その中央には、白い布を掛けたモデル台が置かれていた。 
明日菜は、上靴を脱ぐと、モデル台の上に駆け上がり、くるりと一周してみた。 
先程の神妙な面持ちが、いつの間にか成りを潜めていた。 
「どうだい、気に入ってもらえたかな?」 
タカミチの声がする方向に、明日菜が振り向く。 
タカミチは、既にキャンバスの前に陣取り、パレットを片手に持って椅子に腰掛けていた。 
「すごいです、高畑先生。小さいけど本格的なアトリエですよ、これって。」 
「ハハハ、久しぶりに創作意欲が湧いてきたのでね。まずは形から入ってみようと思ってみたんだよ。」 
「でも、ここに置いてあったものは、一体、どこに行ったんですか?」 
「全部美術室に放り出してしまったけど、今の時期は使わないから、問題ないだろう。」 
タカミチとのとりとめのない会話が、明日菜の心を次第に解きほぐしていく。 
「さて、アスナ君。そろそろ、始めようか?」 
「はい。えっと…。」 
明日菜は、きょろきょろと部屋の中を見回した。しかし、明日菜が探しているものは、部屋のどこにも置かれていない。 
足元に視線を移した明日菜は、モデル台の脇に置かれている、プラスチック製の脱衣かごに気がついた。 
「あの…、高畑先生…。ひょっとして、ここで?」 
明日菜の問い掛けに、タカミチはこくりと頷くだけだった。 


脱衣用のスペースを探していた明日菜は、まさかモデル台がその場所だとは思っていなかった。 
明日菜の顔全体が、一瞬にしてボッと朱に染まった。 
「あ、あの…、恥ずかしい、です…」 
「おや、どうしてだい?」 
タカミチは、特に怪訝そうな表情も浮かべずに、優しげな口調で明日菜に問い掛ける。 
「そ、それは…、その…、あ、あはは、な、何でも、ないです…」 
あからさまな愛想笑いをしながら、明日菜は、その場を取り繕った。 
「(はぁっ…、高畑先生って、ニブいのかなぁ…)」 
明日菜は、心の中で深くため息をついた。 
「(そりゃ、確かに、これからずっと、高畑先生にハダカを見られる事になるんだけど…)」 
リボンタイに両手を掛けて、蝶々結びを解き、しゅるっと襟から抜き取る。 
「(これって、やっぱ、ストリップ、じゃないのー!!)」 
リボンタイを四つ折りにしながら、明日菜が心の中で叫び声を上げる。 
好意を寄せている男性の目の前で、自らの意志で、服を脱いでいく。 
それは、ハダカを見られるよりも、ずっと恥ずかしい事ではないか、と明日菜は感じていた。 
「(でも、モデルを引き受けたんだから…、仕方ない、よね…)」 
脱衣かごの中にリボンタイを放り込むと、明日菜はしゃがみこんで、濃紺のソックスを右足から順に脱いでいった。 
左右のソックスをくるくると丸めながら、明日菜はタカミチの方をちらりと覗き見る。 
タカミチは、相変わらず余裕のある表情を浮かべて、こちらを見ていた。 
「(もう、逃げられないな…)」 
敢えて普段とは異なる順番で脱ぐ事で、明日菜は決意を固めた。 
明日菜は再び立ち上がり、細長い玉になったソックスをポイっと脱衣かごに放り込んだ。 

そして、もぞもぞとブレザーを脱ぎ、ゆっくりと折り畳む。 
「(でも、せめて、ハンガーくらい、用意して欲しかったな…)」 
少しかがんで、ブレザーをかごの中へそっと置く。 
ベストのボタンを外し、左から腕を抜いていく。 
ベストを折り畳みながら、明日菜は改めて今の自分の姿を確認していた。 
白いブラウスと、チェックのスカート。現時点で、既にリボンタイとソックスは付けていない。 
この格好でここから逃げ出して、学園中を走り回る姿を見られれば、絶対怪しまれるに違いなかった。 
ごくり、と唾を飲み込むと、明日菜は左脇のスカートのホックを外し、ジッパーを下ろして、そのまま手を離した。 
モデル台の上に、チェックのスカートが、すとん、と落ちる。 
やや長めのブラウスの裾の間から、清潔感のある真っ白いショーツが顔を覗かせていた。 
「(もう、くまパンは、やめたんだからねっ…)」 
袖のボタンを外しながら、明日菜は誰に言うわけでもなく、心の中で呟いた。 
明日菜自らの手で、ブラウスのボタンが上から次々と外されていく。 
それに伴って、胸から腹へと徐々に露になっていく、明日菜の柔肌。 
ちらりと顔を覗かせたブラジャーは、ショーツとお揃いの白色だった。 
そして、最後のボタンが外された。 
「(た…、高畑先生の前で…、もっとスゴいカッコ、したコトあるんだからっ…!!)」 
ぎゅっと目をつむって、明日菜は勢い良くブラウスを脱ぎ捨てた。 

無造作に脱ぎ捨てられたスカートとブラウスが、明日菜の足元に転がっている。 
ブラジャーとショーツのみを身につけた明日菜が、やや上目遣いにタカミチを見つめながら、顔を上気させている。 
自らの耳に直接響いて聞こえる、心臓の鼓動。 
「はっ、はっ、はっ、はっ…」 
抑えきれない激しい吐息が、明日菜の口から漏れてくる。 
「(ここまで、来きちゃったんだ…)」 
ぼーっとした表情を浮かべながら、明日菜はゆっくりと背中に両手を回した。 
「んっ…」 
ブラジャーのホックをプチッと外す。 
抑えを失ったアンダーベルトが勢い良く縮み、明日菜の乳房が圧迫感から解放される。 
ストラップだけで支えられたブラジャーが、辛うじて明日菜の乳房を覆い隠していた。 
明日菜は、一呼吸置いてから、ブラジャーに手を掛け、素早く手を下ろした。 
その勢いで、両手の親指をショーツの両脇に引っ掛け、ブラジャーとショーツを一気に脱ぎ去った。 
明日菜の右手から放り出されたブラジャーとショーツが、脱衣かごの中にポトリと落ちる。 
「た…、高畑、先生…、準備、できました…」 
真っ赤に顔を染め、震えるような小さな声で、明日菜が呟く。 
「アスナ君、足元、足元。」 
「え…、あっ!!」 
タカミチに指摘され、明日菜は慌ててしゃがみ込み、足元に脱ぎ捨てたスカートとブラウスを丸めて、脱衣かごに放り込んだ。 
「(あ…、ひょっとして、私、一瞬スゴい格好、してた…?)」 
今更気が付いても後の祭り。ぼん、と明日菜の頭から、勢い良く湯気が噴き出した。 
「よし。それじゃ、始めるか。」 
何事もなかったかのように、タカミチは椅子から立ち上がると、一糸纏わぬ裸身を自らの前に曝け出した明日菜の方へと、ゆっくり近づいていった。 



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