
387 ◆pcuugIvvm6
「ネギ先生…先生に話したいことがあるんやけど…ウチの部屋に来てくれへん?」
土曜日の朝、亜子はネギの部屋を訪れて言った。
「いいですけど、何の話ですか?」
「それは部屋で話すから…他の人に聞かれたくないねん」
ネギは、亜子がなにやら思いつめた表情をしていることに気づいた。
「わかりました。亜子さんの部屋に行きましょう。」
「おじゃましまーす」
「まき絵は今日は出かけとるから」
亜子は二人分の紅茶を入れてテーブルに置くと、ネギと向かい合って腰を下ろした。
「それで、話って何ですか?」
ネギが聞くと、亜子は話し始めた。
「昨日の三者面談のとき、ウチのおばちゃんが来とったやろ?あの後、おばちゃんから聞いた話なんやけど…」
時系列は前日にさかのぼる。
その週は三者面談があり、ネギも過半数の生徒の親と対面を果たしていた。
金曜日の夕方、最後の面談相手は亜子であった。
教室の前で待っていると、亜子と共に一人の女性が歩いてくるのが目に入った。
彼女は、ネギの顔を見ると足を止めた。
「おばちゃん、どうかしたん?」亜子が聞くと、
「…え?あ、うん、ほんとに子供やねんなって思ってん」と彼女は答えた。
ネギはもうこのような反応を気にしない。
「はじめまして。亜子さんの担任のネギ・スプリングフィールドです」
とネギが名乗ると、彼女はまた一瞬固まったが、「亜子の叔母の和泉直子です」と名乗り、
「亜子の両親は忙しくて来られないので私が代わりに来ました」と続けた。
直子は、その後無言でじっとネギの顔を見つめていた。「どうかなさいましたか?」とネギに聞かれ、
「あ…いえ、何でもありません」直子ははっと我に返ると慌てて言った。「あの…面談をお願いします」
「あっ…そうですね」ネギは教室に入ると、二人を迎え入れ、
面談用に向かい合わせにされた机のところまで案内した。
面談は大過なく終了し、直子と亜子は連れ立って教室を出た。
廊下を並んで歩きながら、亜子は叔母に話しかける。
「おばちゃん、さっきから様子が変やけど、いったいどないしたん?」
直子は、少し考えるそぶりを見せると言った。「そやね…亜子ちゃん、少し私の昔話に付き合ってくれへん?」
「うん、ウチも聞きたい」と亜子は答え、二人はそのまま近くの喫茶店に移動した。
「亜子ちゃん、私な、昔…十五年位前に女の子を産んだんや」
「え…十五年前言うたら、ウチが産まれたんと同じ位やないか。ウチ、同い年の従姉妹がいるなんて
聞いたことないで!それに…おばちゃん、結婚しとらんやないか!」
「そや…シングルマザーちゅうやつや。私、そのころ京都に住んでたんやけど、その子のお父さんは
奥さん公認で愛人をようさんもっとる人でな、私はその愛人の一人やったんや」
亜子は言葉が出ない。直子はさらに続けた。
「えーと、先生に会ってから様子が変やった、って話やったな。
その人はイギリス人でな、その人の名前、ナギ・スプリングフィールドっていったんや」
「えっ…!スプリングフィールドって…」
「そや…あの子供先生は何となくナギに雰囲気が似ていた。で、名前を聞いたときに思い出したんや。
ナギは十年前に行方不明になったんやけど、その後愛人の一人やったロザライン・フォン・バイゼルハイムちゅう人から
来た手紙に、ナギの…正式な奥さんが男の子を産んで、ネギって名前をつけたって書いてあったことをな」
「じゃ、その子はネギ先生のお姉ちゃん…」
「そうゆうことになるな」
亜子は絶句していたが、しばらくしてこう聞いた。
「その子は、今どないしとるん?」
「うん…実はナギには敵が多くてな、私たちも何度か危険な目にあっとるんや。
ナギがいなくなってからはそういうことはあまりなくなったんやけど、
私と一緒にいると何があるかわからんかったし、一人で育てるのは大変やったから…
お兄ちゃんに頼んで養女にもらってもらったんや」
「…!!!」
直子の衝撃的な告白に、亜子は再び絶句した。亜子が記憶する限り、亜子の父親には男の兄弟はいない。
すなわち、その言葉が意味するものは…
「ちゅうことは…」亜子はようやくのことで言葉をのどの奥から絞り出した。
「ウチが…ホントは…おばちゃんと…ネギ先生のお父さんの…子供で……ネギ先生の…お姉ちゃんって…こと…?」
否定してほしかった。(ネギ先生とウチが…姉弟やったら…ウチ…ネギ先生とは…)
「…その通りや」直子は無情にも肯定した。ここで嘘をつくという考えは彼女には無かったのである。
(いやや!そんなん、いやや!だって、ウチはネギ先生のこと…)
そこまで考えて、亜子はすうっと気が遠くなった。
「亜子、亜子っ!」体を揺さぶられて気がついた。「あれ…まき絵?」まき絵が心配そうに自分の顔を覗き込んでいる。
気がつくと、自分の部屋のソファーに座っていた。どうやって帰ってきたのか、思い出せない。記憶が飛んでいた。
「亜子…どうしたの?」「あ…うん、何でもない」立ち上がろうとしたが、ひざが震えている。
「亜子…具合悪いんなら休んだほうがいいよ?それとも医務室行く?」
「うん…休ませてもらうわ。ありがとな」
「私明日は朝からいないけど、一人で大丈夫?」
「うん…ほんまにに大した事あらへんから…」
「そうは見えないけど…祐奈かアキラに頼んどこうか?」
「ごめん…ウチ、独りになりたいねん…」
そこまで言って、亜子はベッドに倒れこんだ。急速に意識が薄れる。
(このこと…ネギ先生に黙ってるわけには…いかんやろな…)
そんな事を考えながら、亜子は眠りに落ちていった。
(ネギ先生…)亜子の閉じられた目から、一筋の涙が流れた。
「…というわけや」亜子は叔母から聞いた話を話し終えた。
ネギは口をあんぐりと開けて黙り込んでいる。いきなり、自分の生徒から「私はあなたの姉だ」
などと言われたのだから、リアクション出来ないのも当然といえば当然である。
言葉の出ないネギに向かって、亜子はさらに続けた。
「ネギ君…ウチな…今まで、彼氏とかおったことないねん…先輩に告ったことが一度だけあるけどそん時は振られて…
ウチはもてへんのやろかって思ってさみしくなったりしたこともあって…でも、最近は…ネギ君のこと考えてたら平気やった…
ネギ君がそばにおると思うと…さみしくなかった…」
いつの間にか、亜子は目に涙を浮かべ、肩を震わせていた。
「気がついたら、ウチ、ネギ君のこと…他の人なんて考えられへんくらい…好きになっとったんや。
それが…その人が…ウチの弟やったなんて…運命って…ホンマに…残酷やな…うっ…うえっ…えぐっ…」
それ以上は言葉にならなかった。亜子はそのまま、両手で顔を覆って泣き崩れた。
ネギは、泣きじゃくる亜子を呆けたようになって見つめていたが、その顔に次第に決意の表情が浮かんできた。
ネギは、亜子に近寄ると、その両肩をつかんで言った。「そんなの、認めません!」
驚いて顔を上げた亜子をいきなり抱きしめて、ネギは耳元で言った。
「姉弟だからって理由で愛し合っている二人を引き裂くなんて、そんなの、絶対に認めません!
運命が許さないって言うんなら、そんな運命…僕がねじ伏せて見せます!」「ネギ…君?」
ネギは顔を亜子の顔のすぐ前に移動させた。二人の視線が、至近距離で交錯する。
次の瞬間、ネギと亜子の唇が重なった。
(あ…ネギ君と…キスしとる…ウチ、実の弟と…キスしてもうたんや…)
思いがけない形でやってきたファーストキスに、思考が停止している亜子の口内に、ネギの舌が侵入してくる。
ぎこちない動きで亜子の口内をなめ回すネギの舌が亜子のそれに触れ、亜子も、反射的にそれに応えていた。
舌を絡めあい、唾液を交換しながら、亜子もネギの背中に両腕を回す。ネギを抱きしめながら、自分もネギの口内へ舌を進めていく。
しばらくして口を離すと、ネギは言った。
「お互い好きになってしまったんだから、もう、姉弟だろうと何だろうと関係ありません。そうでしょう?」
「ネギ君…」(そや…ウチとネギ君は愛し合ってる…それでええんや…)
亜子は、ネギの肩に顔をうずめて、また泣き出した。
先程とは違う涙で自分の顔と弟の肩をぬらす姉をやさしく抱きしめながら、ネギは言った。
「誰に何と言われても構いません…愛してます…亜子お姉ちゃん…」
どれだけそうしていただろうか。ようやく気分が落ち着いてきた亜子はネギの肩から顔を離した。
それと同時に、ネギがクスッ、と笑って言った。
「亜子さん、顔、すごいことになってますよ」
その言葉どおり、亜子の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「え…あ!いやっ!ネギ君、見んとって!」
亜子は慌てて立ち上がって、洗面所に走っていった。
顔を洗い、タオルでごしごしこすってから、亜子はネギが待つ部屋に戻る。
「みっともない顔見せてもーてごめんなー」と謝った亜子に、ネギが言った。
「みっともないなんて…涙でぬれた顔も綺麗でしたよ」
「…もうっ」赤面した亜子は、ネギに抱きついた。そして、
「ネギ君…もっかいキスしてええ?」と聞くと、返事を待たずにネギの口を自分の口で塞いだ。
今度は、亜子の方からネギの口に舌を差し込んでいく。
ネギも、すぐさまそれに応え、二人は拙いながらも激しく舌を絡ませあう。
(ああ…すごい、気持ちええ…なんか、変な気分や…)
ディープキスを続けるうち、亜子は、自分の中で性的な衝動が高まりつつあるのを感じた。
(この先に…進んでもええよね?)亜子は、ネギの背中に回していた右手をネギの下腹部に移動させ、
キスの快感にそこで自己主張を始めている物に触れた。
「ひうっ!」触れられたネギは思わず体をのけぞらせ、二人の唇は離れた。「あ、亜子さん?」
「ネギ君…ウチとキスしてて、こんなになってもうたん?」「あう…そ、それは…」
「ネギ君…気持ちよかったんやろ?」重ねて問う亜子に、ネギは耳まで真っ赤にして小さくうなずいた。
亜子は、それを確認すると、一気に上着を脱ぎ捨てた。
「亜子さん!?いったい何を…」
「キスだけで終わりなんて…言わへんよね?」
「ネギ君…ネギ君も脱いで…ウチだけなんてずるい…」
下着だけになった亜子に言われ、ネギも自分の服を脱ぎ、パンツ一丁になった。
ズボンを脱ぐと、股間の膨張がよりいっそうはっきり見て取れる。
今更ながら、ネギは狼狽を隠しきれない。そんなネギに、亜子が言う。
「ネギ君…ウチ、ネギ君に見てほしいものがあるんや…」
そこまで言って、亜子はネギに背中を向けた。ネギが息を飲んだのが、亜子にもわかった。
亜子の背中には、左の肩口から右の脇腹にかけて、一直線に大きな傷が走っていた。
「亜子さん、その背中…」「酷い傷やろ?ネギ君…こんなグロい傷があっても、ウチのこと、愛してくれる?」
ネギは、亜子が何を言いたいのか理解できた。背を向けたままの亜子に、強い口調で言う。
「見損なわないでください!それくらいで嫌いになるくらいなら、最初から好きになったりしません!」
亜子の純白の背中を斜めに切り裂く傷跡。だが、ネギにはそれが醜いとは思えなかった。
「ネギ君…うひゃ!」亜子は言葉を中断させた。ネギがいきなり傷跡に舌を這わせ出したのだ。
亜子の白い肌に走る傷跡に、上から下へ、下から上へとネギの舌が走り、唾液を塗りつけていく。
「あ…あん…ネギ君…」背中をなめ回される感触に、亜子は喘ぎ声を上げる。
ネギは背中から口を離し、亜子を後ろから抱きしめて、背中に頬擦りしながら言った。
「グロいなんて、思ってませんよ…亜子さんなんだから…」
亜子は涙ぐみながら言った。「ありがとう…ごめんな、ネギ君」
亜子は、ネギの右手を握ると、そのまま自分の下腹部へと導いた。次のステップに進むために。
「あ…」ネギの指先が下着一枚を隔てて亜子の秘部に触れ、亜子は思わず声を上げる。
その下着は、すでに亜子の愛液でぐっしょり濡れていた。
「亜子さん…」「ん…ネギ君…濡れとるやろ?ネギ君とキスしたり、ネギ君になめ回されたりして、こんなになってもうたんや…」
「ネギ君、立派やなー」
「あう、言わないでください、恥ずかしいです…」
「ふふっ、いまさら何言うとるん?」
二人は、亜子のベッドの上で、一糸纏わぬ姿で向かい合っている。
亜子は家で父や兄――血縁上は伯父と従兄だが――の裸を見たことこそあったが、今のネギのようになっているペニスを見たことは無い。
その、はじめて見る肉棒に、亜子はゆっくりと顔を近づけ、そして、
「あうっ」口に含んだ。ネギは思わず声をあげる。「あ、亜子さぁん」
(おばちゃんも、ネギ君のお父さんにこんなことやったんかな?)
そんなことを考えながら、棹の部分に手を添えて、口を動かし始めた。
頭を上下に動かすだけでなく、舌に力を入れて亀頭をねぶるようにする。
「亜子さん…気持ち…いいですぅ…」亜子の口に性的な快感を与えられ続けているネギが、途切れ途切れに言う。
亜子は、いつしか、口と右手でネギを愛撫しながら、左手で自らの股間を弄っていた。
亜子のテクニックは稚拙ではあったが、童貞のネギを感じさせるにはそれでも充分すぎる程であり、
ネギはすぐに絶頂へと登りつめていった。
「亜子さあん、僕、あっ、なんか、なんか来ちゃうぅ!」
(ええよ、出して、口の中にいっぱい出してええよ!)
亜子は、ネギの言葉を聞いて、口の動きを速めた。
ネギはそれに耐え切れず、思わず亜子の頭を手で押さえつけて、亜子の口内に激しく射精した。
「んむっ!?」「ああっ、亜子さあん!」
ネギのペニスをほぼ根元まで咥えこんで、亜子はネギの射精を一滴残らず喉で受け止めた。
射精が収まると、亜子はネギのペニスから口を離し、愛する弟の精液を飲み込んだ。
それを見たネギが慌てて言う。
「き、汚いですよ!」
「汚くなんか無いよ。ネギ君の精液、汚いわけないやん」
そういって、亜子はネギのペニスを口から抜くときにこぼれた僅かな精液を指で拭い、そのままその指についたものを舐め取った。
「ネギ君…次はネギ君の番やで…ウチのこと、舐め回してや…」
「あ、あんっ、はっ、いいっ、いいようっ!ネギくぅん…も、もっと、もっと舐めてぇ…」
ネギは、亜子の股間に顔をうずめ、一心不乱に舐め回している。
既に愛液で溢れている亜子の割れ目をネギが舐めあげる度に、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が漏れる。
自分の敏感なところに与えられる快感。それをもたらしているのがネギであるということ。
そして、そのネギが自分と(半分とはいえ)血の繋がった姉弟であるということを考えると湧き上がってくる背徳感。
それらが一体となって亜子の性感を高め、それ以前に既にかなりの快感を得ていた少女はたちまちのうちに絶頂へと登りつめていった。
「あ、あああーーっ!」
あっさり達してしまった亜子は、少しの間脱力していた。
「亜子さん?」「あ、ネギ君…すごい、よかったよ」
亜子がネギの股間に目をやると、そこにあるものはあいも変わらず自己主張を続けている。
それを確認した亜子は、自分の割れ目を指で広げて言った。
「ネギ君…ウチ、我慢できへん…ウチのここに、おちんちん、入れて?」
「亜子さん…でも…僕達…」「姉弟でも関係ないって言ったん、ネギ君やで?」
亜子に自分の言葉を遮られ、彼女の言葉を聴いたネギは、すぐに自分の先程の決意を思い出した。
姉弟だろうと何だろうと彼女を愛する。その決意を新たにしたネギは、亜子をまっすぐに見つめ、言った。
「亜子さん…行きます」「うん…来て…ウチの初めて、貰って…」
ネギは、自分のペニスを亜子の割れ目にあてがった。さすがに緊張を隠しきれない様子である。
もっとも、緊張しているのは亜子も同じであったが。
「ネギ君…ゆっくり、ゆっくりな」「はい…」
亜子の秘部に、言われた通りゆっくりとペニスを進めていく。
「ん、うっ!」先端が入ったところで、亜子が痛みで声を上げた。ネギは気遣って腰を止める。
「大丈夫ですか?」「はぁ、ん、ウチは大丈夫やから…こんくらいなら、平気やから…」
痛みはあったが、耐えられないほどではない。亜子はさらに言った。
「ネギ君、後は一気に来て…」「いいんですか?」「うん…早く…」
ネギは、一旦深呼吸をすると、腰を一気に進めた。「ああっ!」「はうっ!」
ネギのペニスが、亜子を一気に貫き、二人の下腹部がぶつかった。
同じ父親によって別々の女性に宿り、そうとは知らず互いを想うようになった二人が、ついに一つになった瞬間だった。
「亜子さん、平気ですか?」ネギが、激しく腰を動かしたくなる衝動を抑え、亜子に問う。
「ん、やっぱちょっと痛い…ごめん、しばらく動かさんとって…」亜子も素直に答えた。
ネギはおとなしくそれに従った。愛する亜子を必要以上に苦しめるのは本意ではなかったし、
何より先程まで処女であった亜子の中は入れているだけで充分気持ちよかった。
ネギは、繋がっている下半身はそのままにして、亜子の上半身を愛撫することにした。
「ひゃああん!」ネギに小振りな胸を揉まれ、亜子は声を上げる。
「あん、あの、ネギ君…ウチの、胸…明日菜とかみたいに…」
胸が小さいことを気にする亜子に、ネギは微笑んで、首を横に振った。
―そんなこと、全然気にしてませんよ―
ネギがそう言っていること、そしてそれ以上言う必要はないと言うことは、亜子にもすぐにわかった。
安心して、ネギの愛撫に意識を集中させる。
「あ、あっ、ネギ君…もっと…」
ネギは、快楽に声を上げ始めた亜子の、白い肌に唇を押し付けた。胸の谷間―いささか両方の山は低いが―に、
唇の形に赤い跡がついた。
胸につけられたキスマークを見た亜子が言った。「あ、ネギ君、あんまり跡はつけんとって…」
「ん…わかりました」そう答えたネギは、右手を胸から離すと、その先端にある乳首を口に含んだ。
「ひゃ、ひゃうっ、あ、あ…」唇だけではなく舌も使って、亜子に快感を与え続ける。
「あ、あん、ネギ君、右も、舐めてぇ…」
ネギは、素直に右の乳首に口をつける。同じように舌を使いながら、左の乳首は指で摘んでこねるようにする。
「あ、はぁっ、ネギ…君…いい…あ、ああぁ…」
ひとしきり胸を愛撫したところで、更に唇を上の方に移動させる。
鎖骨から首筋にかけて、先ほど言われた通り跡をつけないように軽く唇を這わせる。
そして、ネギが更に上―亜子の唇―に口付けをしようとしたとき、亜子は言った。
「あ…口は…さっき、ネギ君の精液…まだ、残って…ひゃうっ!」
皆まで聞かず、ネギは亜子の両の乳首をひねり上げるようにして言葉を止めた。
「汚くなんか無いって言ったの、亜子さんですよ?」「あ…」
意外な切り返し―確かに先程そう言ったが―に一瞬虚を衝かれた亜子に、ネギは唇を重ねた。
ネギが何の躊躇もなく舌を入れてくると、亜子も一瞬ためらったが自らの舌を絡めていった。
舌を絡ませながら、亜子は気づいた。ネギに貫かれている下腹部の痛みが消えている。
いや、完全に消えているというわけではないが、ネギと繋がっているという歓びに覆い隠されてしまう程度に薄らいでいた。
唇を離し、ネギに言った。
「ネギ君…もう、大丈夫やから…動いて?」
「ひゃっ…あんっ!」
ネギが腰を少し引いて、また奥に突き込むと、亜子は、明らかに快感によるものとわかる嬌声をあげた。
「あ、亜子さんの中、すごい、気持ち、いいです…」
「あ、ん、ネギ君、ウチも、気持ちええ…そや、ネギ君、ウチのこと、お姉ちゃんって呼んで…」
「あ、亜子お姉ちゃん…あうっ!」
亜子のことを姉と呼んだ途端、ペニスが強く締め付けられ、ネギは思わず声を上げた。
「お姉ちゃん、いい…よおぉ…」途切れ途切れになる声で快感を訴えるネギに、亜子は更に言った。
「ああ…ネギ君、もっと、もっと動かしてえ…」
その言葉を聞き、ネギは更なる快楽を得る為、激しく腰を振り始めた。
「あっ、ああっ、ネギ君、ネギくぅん!ああっ、すごい、気持ち、ええよお!」
「あっ、僕も、僕もぉっ!亜子さんの中、気持ち、よすぎますぅ!」
姉弟でありながら恋人として激しく交わる二人は、たちまちのうちに絶頂へと昇り詰めて行った。
「あっ、亜子さん、僕っ、また、さっきの、出ちゃいます!」
「あんっ、ネギ君、ウチも、もう、イッてまうよおっ!ウチの、中に、出してぇっ!」
「あ、出る、出ちゃう!出ちゃうよおっ!」
「出してぇ!ウチに、お姉ちゃんの中に、いっぱい出してぇっ!ああーっ!イクぅーーっ!」
「お姉ちゃあん!亜子お姉ちゃあぁんっ!」
絶頂を迎える直前、二人は固く抱き合った。
「「あっ、ああああぁぁーっ!」」
ネギの肉棒から噴き出した精液が、続けさまに亜子の中に叩きつけられた。
それを自分の奥深いところで受け止めながら、亜子はこの上ない幸せに浸っていた…
「ネギ君、また、やろな?」「はい…」
何度も体を重ねた二人が、後始末をしながら、そんな事を話していると、亜子の携帯が鳴った。
「あ、おばちゃんからや」まだ直子のことを母と呼ぶことに違和感を感じる亜子が電話に出る。
『亜子ちゃん、これから、昨日の話の続きせえへん?』「え?昨日の?」
『そや、あの話した後、亜子ちゃん、なんか変やったからな。なんか気になって…何ともない?』
「…うん…大丈夫。人に聞かれたない話あるから、寮のウチの部屋まで来てくれへん?」
『ん、わかった。じゃ、また後でな』
電話を切った亜子が、ネギと視線を交わす。ネギはにっこり笑って頷いた。
その笑みは、亜子に安心感を与えるに十分なものであった。
寮の前まで迎えに出た亜子と共に部屋に入ってきた直子に、中で待っていたネギが声をかけた。
「直子さん、お待ちしてました」「あ、ネギ先生…昨日は、どうも」「あ、いえ、こちらこそ」
ネギと挨拶を交わす直子に、亜子が言う。
「おばちゃん、立ち話も何やから、座って、な?」「あ、うん」
机をはさんで、直子と姉弟が向かい合う形になった。亜子が緊張した顔で口火を切る。
「おばちゃん、昨日の話やけど…あれ、聞かんかったことにします」
「聞かんかったこと…?どして?」
「姉弟やったら、まずい理由ができたんです」
亜子がそういうと、直子は一瞬考え込むようなそぶりを見せた。二人の顔を交互に見る。
二人も、まっすぐに見返す。張りつめた空気が漂う。
やがて、二人に何があったのかを理解した直子が言った。何やら懐かしむような声である。
「そう…やっぱり二人ともあの人の子供やねんな…」
「「え…」」予想もしていなかった言葉に虚を衝かれた二人が同時に声を上げる。
「ど、どういう意味ですか?」「どゆこと?」二人して問う。
「ナギには愛人が何人も居るゆう話はしたけど、実はな、その愛人の一人な、ナギの姉やねん」
「「えっ…」」二人は絶句する。直子が言葉を続けた。
「その人の名前は、エステル・スプリングフィールド。正真正銘、ナギの実の姉や」
「エステル…伯母ちゃんが…?」
「そや。やっぱりネギ君は知っとったな。二人の間には子供も居る」
直子の口調が変わっている。ネギを亜子の担任としてではなく、愛する男の子供として見ている。
そのネギは、混乱していた。
メルディアナの職員であった伯母。そして六歳年上の、たまにしか会えなかった従姉。
その二人が、単なる伯母と従姉ではなかったなどとは、想像すらしていなかった。
同じ従姉でも、異母姉でもあると今言われた彼女より、上の伯母の娘であるネカネの方が彼にとっては姉と言って違和感がない。
(お父さんと…エステル伯母ちゃんが…)頭の中で、何かがぐるぐると回っているように感じる。
「おばちゃんは…そのこと、どない思っとったん?」亜子の言葉に、ネギははっと我に返った。
「最初はまちがっとるんやないかって思ったよ。やけど、ナギにそのことを問いただしたら、それでその返事を聞いたら、
そんなこと、全部吹っ飛んだわ。ナギはな、笑って、こう言ったんや。
『お互い好きになってしまったんだから、姉弟だろうと何だろうと関係ない』ってな」
ネギに言われた台詞とほとんど変わらない言葉に、やはり親子なんだな、と亜子は妙なところで感心していた。
「私達かてそうや。愛人がようさんおって、ナギを自分が独占できへんことなんか、関係あらへん。
私達全員が、そういうナギのことを大好きやったんやから」
夢見るような口調で想い出を語る直子の話に、二人はじっと聞き入っていた。
彼女は、お父さんのことをよく知っている。もっといろいろ話を聞きたい。
ネギはそう思ったが、今は他にやることがある。
ネギと亜子はちらりとアイコンタクトを交わし、そして亜子が言った。
「おばちゃん…やなかった。お母さん、ウチ、ネギ君と恋人としてお付き合いしても、ええ?」
質問の形を取ってはいたが、亜子は認められると確信している。たとえ認められなかったところで、非公認でお付き合いをするだけである。
もとより直子には、認めないつもりなど毛頭ない。直子は、ネギのほうを向いて、口元に笑みを浮かべて聞いた。
「ネギ君、こういう時に男の子は恋人の親になんて言うか知っとる?」
そのまま、娘の恋人であり、弟でもある少年の顔をじっと見つめて待つ。ネギは、少し考えてそれらしい言葉に思い当たった。
彼は、直子の顔をまっすぐに見据え、緊張こそ隠しきれなかったが、はっきりした声で言った。
「お母さん、亜子さんを僕にください」
直子は、よくできました、とでも言いたげに頷くと、満面の笑みを浮かべて言った。
「幸せに、してあげてな」
終わり
作者注
・和泉直子、ロザライン・フォン・バイゼルハイム、エステル・スプリングフィールドとその娘は、完全に架空の人物です。
本編に登場することはありえません。ただし、作者の他のSSに登場する可能性はあります。
・亜子→ネギの呼称が途中から「ネギ君」に変わっているのは、亜子のネギへの想いの変化の現れです。
決して作者が間違えてるわけではありません。