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ifネギま! 〜 一話一妄想 〜 


第十五話 



 パートナー探しの話がいつの間にか結婚相手探しの話になってしまい、クラスメートたちから追いかけられるネギ。逃げる途中で木乃香と出会い、そこで彼は、木乃香がお見合いを嫌がっている話を聞く。木乃香はネギがパートナーならいいと言い出すのだが……。 


 木乃香はネギに向かってすっと手を差し伸べると、彼の体を抱き寄せた。 
 ぱちんとウインクして言う。 
「ネギ君来てから、カワイイ弟出来たみたいで嬉しいえ」 
 ネギの尻に手をおき、ぎゅっと腰を押し付けた。 
 いつもとは趣を異にする木乃香に変な抱きかたをされ、ネギは思わずぽーっと赤くなった。 
「……木乃香さん……」 
 とそこで、彼は自分の教師としての立場を思い出した。 
「ぼ、僕は弟じゃなくて先生ですよー」 
 両手をばっと振り上げて、強い調子で言う。照れ隠しの意味もあって、ついつい声が荒っぽくなる。 
 しかし所詮は弟扱いされる方が相応しい年齢だ、木乃香はちっとも堪えた様子もなく、笑顔で大袈裟にネギから逃げる。 
「ネギ君また怒った──」 
 袖口を両手で掴む町娘スタイルで走る木乃香と、それを追うネギ。 
 どう見ても、先生が生徒を叱っているというよりは、姉弟がふざけて追いかけっこしているようである。 
「あ」 
 突然、木乃香ががくりと体勢を崩した。 
 慣れない和装のため、地面すれすれまである長い着物の裾に草履を引っ掛けてしまったのだ。 
「ひゃあ」 
 どしーんと派手に転ぶ木乃香。それをすぐ後ろまで追っていたネギも、急に止まろうとして失敗。「わう」と木乃香と同じように転倒してしまう。 
「あたた」 
 さすがにふざけ過ぎたという反省の色を見せながら、木乃香は体勢を立て直そうと、上半身を起こす。 
 ネギもまた床に手をついてむくりと起きあがった。 
 そこで、彼は目の前に木乃香の丸だしになった下着を直視してしまう。 
 あんなに長い着物が、いったいどうやったらここまで見事にめくれるのかと不思議になるくらい、木乃香は腰のすぐ下までむき出しになっている。 
 大輪の花をあしらった、ネギの目から見ても高級な着物の布地と、木乃香の息を飲むほど白く、きめの細かい肌が好対照だ。 
 しみ一つない、若い肉の詰まった太ももと、清楚な無地白色の下着がかえって扇情的な光景を作り出してしまっている。 
 木乃香は上半身を起こすと、正座を崩して尻を床につける、いわゆる女の子座りになった。着物の裾を前に引っ張って下着を隠す。 
 頬に手を当て、さすがに恥じらいを見せながらも笑顔のままで言った。 
「あちゃー、ウチもパンツ見られてもーたかな」 
「いえっ、その」 
 額に汗を浮かばせて否定しようとするネギだったが、さすがにあの体勢で見てなかったと強弁するのは無理がある。 
 どうしようかとあせっていると、木乃香がその瞳に、奇妙な光を宿らせ、ネギを見つめた。 
「うーん、ウチはネギ君とだいぶ仲良うなったし、パンツも見られてもーたし、これはネギ君とパートナーになる資格ができたってことやな」 
「え?」 
 論理の急展開についていけず、ネギは間抜けな返事をしてしまった。 
 一方、話を続ける木乃香の表情には、いつの間にか真剣なものになりつつある。 
「なあネギ君。さっき言うた通り、ウチは会ったこともない、年の離れた男の人とお見合いなんて嫌なんよ……」 
 さきほど少しだけ見せた、木乃香の憂い顔、それが再び彼女の顔に宿った。 
 普段笑顔を絶やさない木乃香だけに、その表情を見てネギは心臓が跳ねあがった。なんとかして彼女を助けたい、彼女の想いに応えたいという、正義感にも似た熱い衝動が湧きあがってくる。 

 ネギは胸の前で拳を握って言う。 
「木乃香さん……僕にできることならなんでもやりますよ」 
 すると木乃香は、にぱっと笑顔になり、膝で歩いてネギにぐっと近付いた。 
 その表情の変わりように、ネギは「あれ?」という顔で思わずのけぞってしまう。 
「ほんまやな、ネギ君。それじゃちゅーしてくれへんか?」 
 ネギの顔が、ぼっと赤くなった。 
「な、な、な、何を言い出すんですかーっ」 
「いわゆる既製事実ってやつやな。ウチにもうつきあってる人がいるとわかれば、おじーちゃんも無理にお見合いの話持ってこなくなると思うんよ」 
「うう……」 
 教師と生徒という立場にこだわるネギは、断ろうとも思ったが、先ほど堂々と『僕にできることならなんでもやります』と言ってしまっている。 
 少しの躊躇の後、ネギは顔を真っ赤にしながらゆっくりうなずいた。 
 木乃香は両手を胸の前で音を立てて合わせる。 
「わぁー、ほんまにおおきになー」 
 こちらは対照的に、あまり照れていない。 
「それじゃさっそく……」 
 木乃香がぐっと首を前に突き出した。 
 光を反射する、つややかな唇を目の前にして、ネギは思わず唾をゴクリと飲む。 
 ネギは木乃香の両肩に手を置くと、ゆっくりとその唇に近付いていった。あまりの緊張に、体のあちこちがガタガタ震えている。 
 ネギの顔が近付いて、木乃香は両目を閉じた。それに合わせて、ネギも目をつむる。 
 暗闇の中、さらに進んだところで、唇が柔らかいものと接触した。 
 今、木乃香とキスをしている。 
 そう思うだけで、ネギの頭の中はそれで一杯になってしまい、石化したように動けなくなってしまった。 

「ネギ君! ネーギー君っ」 
「え? あっ」 
 木乃香の呼びかけで、ネギは意識を取り戻した。 
 彼の目の前で、木乃香が不思議そうな顔をしている。どうやら、彼は緊張のあまりキスが終わったことにも気づかなかったらしい。 
 気まずさを誤魔化すために、コホンとネギは咳払いをした。 
「えーと、これで、僕の役目は終わりですね」 
「それがやな、今考えてみたんやけど、やっぱりキスぐらいじゃ既製事実にはほど遠いんやないかな」 
 一瞬の間。 
「と、言いますと?」 
 冷や汗をだらだら流しながら問うネギに、木乃香は両頬に手を当て、体をくねらせて答える。 
「やーん、ネギ君、女の子にそんなこと言わせないっ」 
 いったいどこから出したのか、小さなトンカチでゴチッとネギの頭を小突く。 
 あたた、とネギが打たれたところをさすっていると、木乃香は彼の目の前で、あろうことか着物の前の合わせをゆっくりと開いていく。 
「木乃香さん……!」 
 さすがに恥ずかしいらしく、木乃香は視線をそらし、頬を染めている。それでも前をはだける手は止まらず、芸術的な弧を描く鎖骨があらわになる。 
 崩された着物、新雪のように汚れ一つ無い肌、優美な曲線を描く肩、恥じらいを秘めた少女の顔……ネギを黙らせるには充分すぎるほどだった。 
 がくがくと震えながら、ネギが木乃香に手を伸ばす。 
 指先が肌に触れる。驚くほど熱い。木乃香も興奮しているのだ。 
 木乃香は白いブラをつけていたが、ネギが取り除けるまでもなく、自分で外して床に置く。 
 その間に、ネギは木乃香との間をぐっと詰めていた。 
 するりと、着物が落ち、このかの両肩が出る。 
 普段、明日菜とは違った意味で明るい木乃香は、さほどか弱さを感じさせない。 
 しかし今、屋内照明のもとにさらされた肩は狭く、小さく、幼いネギですら抱きしめるのを躊躇したほどだ。 
 しかしその自制も、着物の合わせ目からのぞいた木乃香の胸を見て吹き飛んでしまった。 

 大きさという点ではそれほどでもない、年齢相応の、つつましやかなものである。 
 だがしかし、その控えめなサイズと上品な形、そして色つやは、ぞっとするほど男の本能に訴えかける色気がある。 
 加えて半脱ぎ状態の和服がそれに拍車をかける。 
 日本人の男にとってもそそる情景だが、ネギのような外国人にとってもキモノがエキゾッチクな魅力に溢れた衣装だ。 
 ネギは矢も盾もたまらず、木乃香に抱きついた。その勢いは、体格に優る木乃香を床に押し倒してしまったほどである。 
 本能の赴くまま、ネギは木乃香の鳩尾の辺りに顔をうずめる。 
 木乃香の甘い体臭に酔いながら、激しく肌を吸う。ちゅ、ちゅっと、音までさせながら、次第に胸のふくらみを頂上に向けてキスが登っていく。 
「あ、あっ、あっ、あっ」 
 一つ肌に口付されるたびに、木乃香は短く声をあげた。ネギの肌を吸う音と合わせ、淫らなアンサンブルになっている。 
 ついにキスが胸の先端に到着した。一際強く吸い上げると、それに応えるように 
「あ────っ」 
 と長くあえぐ。再びキスは上昇を続け、鎖骨を通り、首筋に足跡を残し、顎を経て唇へ到達した。 
「んっ……」 
「むう……」 
 舌をからめ、お互いに唾液をすすり、唇をこすり合わせる。最初の時とは比べ物にならない、体の真までとろけるような強烈な大人のキスだった。 
 息継ぎを挟みながら熱心にキスを続ける一方で、ネギはベルトを外してトランクスごとズボンを下ろし、木乃香は少し腰を浮かして下着を取り払った。 
 お互いに『準備』ができたことを目と目で教えあうと、二人はいったんキスを中断した。 
「木乃香さん……」 
 つい、逆らいがたい勢いでここまで来てしまったが、本当にこの先に進んでいいのだろうか? 
 そう問いかけようとするネギの言葉を遮るように、木乃香は強くうなずいた。 
 いつも朗らかで屈託のない彼女だが、さすがにこの時ばかりは緊張しているようで、顔を上下に振る仕草一つとってもどこかぎこちない。 

 ネギはゆっくりと腰を進めようとしたが、そこは童貞である。 
 割れ目に亀頭が接すると、その感覚に痺れ、より一層の官能を求める本能が、ネギの意思を無視して一気に貫いてしまう。 
「ああーっ」 
 挿入と同時に、普段のおっとりとした声音からは想像もつかない、鋭い悲鳴がネギの鼓膜を叩いた。 
「あ、ご、ごめんなさいっ! やっぱり痛かったんですね。すぐに抜きます!」 
 慌ててネギは腰を引こうとした。 
 ところが、悲鳴を上げたとうの木乃香自身が、ネギの尻に足を絡みつかせる。 
「ち、違うんよっ、痛かったんと違う、気持ち良かったんや。だからぬかんといてーっ」 
 ぐいぐいと絡みつかせた足に力が入った。 
 ぬけかけたペニスは、逆に先ほどよりさらに奥深くへと木乃香の中に潜り込む。 
「ふあーっ! ええよ! ネギ君すごいええよっ!」 
 いやいやと首を左右に激しく振り、熱い吐息とともにあえぎ、よがり、体を波打たせ、木乃香は全身で自分が肉欲の虜であることを表現した。 
 普段ののんびりした、ともすればとろくさい性格からは想像もつかない激しさ。大和撫子という言葉がしっくりくる容姿からは考えもつかない乱れっぷりである。 
 しかも、それでいて、貪欲なまでにネギの肉茎をくわえこむ陰部では、純潔であった証しが愛液と交ざって桃色の筋を引いている。 
「こ、木乃香さん、痛くはないんですか!?」 
 腰の当たりでとめどなく発生してくるとろけそうな感覚に耐えながら、ネギはきいた。 
 幼いとはいえ、魔法学校首席である。実践は伴わなくとも、知識として女性の体について学んでいる。 
「う、うん、ネギ君気にせんええよっ! あっ、なんでか知らんけどウチ、うんんっ、全然痛くあらへんの。あっあっ、あっ、それどころか……き、気持ちええのっ」 
 あえぎ声混じりの返答を、体を左右によじりながらする木乃香。 
 その言葉を裏付けるように、彼女の口元はだらしなく半開きになり、顔は官能で朱に染まっている。 
 目尻には涙が雫となって宿っているが、とろけきった瞳を見れば、それが痛みによるものでないのは明らかだ。 

 ネギは木乃香の想像もしていなかった激しいよがりかたにやや驚き、呆れてもいたが、その一方で安心し、喜んでもいた。 
 それまでどこか遠慮がちだったネギの腰使いが、猛然と勢いを増した。 
 ネギの理性が、木乃香の言葉で手綱を放したのである。 
 ネギは欲望に突き動かされるままに、ピストン運動のペースを上げる。 
 剥き出しになった木乃香の胸元に顔をうずめ、興奮でピンク色になった肌に熱気を帯びた息を吐きつける。 
「木乃香さんっ! す、すごいです、あっ、木乃香さん!」 
「うん、ネギ君、は、激しいえっ。もっと強くしてもええんよ。もっと、ああっ」 
 お互いに名を呼びながら、さらに官能を高めようとするネギと木乃香。 
 ネギが激しく腰をうちつけるのはもちろん、木乃香もそれに合わせて下半身を上下させている。 
 女性としての慎みなどかなぐりすてた、かたい人が見れば眉を潜めるであろうはしたない動きだ。 
 しかしネギには、それが二人がともに喜びを分かち合い、感覚を共有しているようで、いっそう木乃香への思いが増すのだった。 
 木乃香はさらに積極的になり、自分の胸にキスマークをつけるのに夢中になっているネギの頭を掴んだ。 
 ぐっと上を向かせ、そして自分も頭をあげて顔を寄せる。 
 すぐさまネギは相手の意図を察し、上半身を伸ばして木乃香に熱烈なキスをした。 
 唇同士が触れ合うと、すぐさま舌が出てきてねっとりと抱擁しあい、唾液をすすりあう。 
 もちろんその間、性器同士の交接は、いささかもその激しさを減じていない。 
 上下の粘膜で激しく愛し合う二人は、たちまちのうちに絶頂へと昇り詰めて行った。 
「ネ、ネギ君っ、ネギ君ウチもうだめやっ! もうっ、もうっ」 
 せっぱつまった木乃香の声。それに応じるかのように、ネギが眉根を寄せて苦しそうにうめいた。 
「あーっ、木乃香さんそんなに強くしちゃ僕僕耐えられませんっ」 
「耐えちゃいやや、出してええからウチと一緒に……っ!」 
「で、でもっ」 
 先生として、あるいは男としての責任感がネギに拒絶の言葉を言わせる。 
 しかし、射精を我慢することも、木乃香の膣内から離れることもできない。 
 はじめて味わう、脳の奥まで染み渡る圧倒的な快楽の前では、いかなる抵抗もむなしかった。 


「ああああああああああああっ!!!」 
 二人は同時に声をあげた。悲鳴じみてすらいる絶頂の叫びと共に、ネギは激しく射精する。 
 全身の神経を冒す快楽を集め、一気に噴出させるかのような激しいものだった。 
 発射したネギも、それをあますところなくうけきった木乃香も、糸が切れたようにがっくりと脱力する。 
 さきほどの激しい交わりが嘘のように二人は動かない。 
 ただ、お互いのいまだ熱の残滓が残る体温、汗ばんだ肌の感触、次第に穏やかになる呼吸と心音を感じながら、至福の時を共有していた。 

 やがて、燃えるようだった熱が引いてくる。 
 木乃香とネギは、名残惜しさをにじませながらも、肌を離していった。 
 ついさっきまでの狂おしいもだえぶり、あえぎぶりはどこへやら、木乃香は平然とした微笑みで、乱れた着物を直している。 
 脱ぎ捨てられていたブラジャーをとって身につけながら、木乃香は世間話でもするみたいな感じでネギに話しかける。 
「ネギ君さっきのすごかったわー。ウチ、ほんまにはじめてだったんよ。ウチら、そういう相性ええのかな?」 
「し、知りませんよ」 
 一方ネギの方は、体を交えた直後だというのにやたら恥ずかしがって、すこしぶっきらぼうに答えた。 
 が、知らないと答えたものの、頭の中に、姉からのメールの言葉が浮かんだ。 
 スタンド使いとスタンド使いは……じゃなかった、魔法使いとパートナーは惹かれあう。 
 今回の出来事も、そういうことだろうか。 
 考えているうちに、ネギは着替えが終わった。 
 木乃香の方も、上半身の用意を終え、今は裾を大きくまくりあげてパンツを履いているところである。 
 なんとなく、白い魅力的な太ももの辺りに見とれていると、それに気づいた木乃香がいたずらっぽい表情で言った。 
「どうしたんネギ君、まだウチのパンツ見たいん?」 
 ネギは顔を赤くし、慌てて手を振った。 
「いえっ、その…」 
 それにかぶせるように声がかかった。 
「ふふふ、お二人とも仲がおよろしいようで……」 
「え?」 
 振り向くと、顔を引きつらせた明日菜とあやかが立っていた。 


   第十五話 終わり 



次回予告! 
 新学期を明日に控えた夜。まき絵は一人桜通りを歩いていた。とそこに、妖しい黒い影が現れ、彼女に襲いかかる! 
 その正体は、クラスメートのエヴァンジェリンであった。もしエヴァがまき絵を操り人形にしていたら……? 乞うご期待! 



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